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Screening of Thai documentary film (2008/1/16)

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生存圏研究所 第67回定例オープンセミナー(2008/01/16)

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日 時:2008年1月16日(水)

植物の間接防衛戦略を雨よけハウス内の害虫防除に応用しよう! (Indirect defence of plants against herbivores: a prospect of its application to pest management in greenhouses.)

高林純示 (生態学研究センター・教授)

日本南アジア学会設立20周年記念連続シンポジウム(2008/01/12)

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日 時:2008年1月12日(土) 13:30~17:00
場 所:京都大学百周年時計台記念館国際交流ホールIII

<目的>
インド亜大陸に展開してきた南アジア文明あるいは「インド的文明」とは何かをインターディシプリナリーな視角から議論する。インド的文明の成立と展開における多元的な諸相を視野に入れつつ、インド的文明の個性をどのように捉えることができるのか、また、それを論ずることの現代的な意義はどこにあるのか、について論ずる。

<視点>
上記のような目的にいたる方途として、この第3回目のシンポジウムでは、より広範なユーラシア世界を視座として据え、古代から中世までの、いわゆる東西文化のみならずもう一つの東西文化についても、接触・交流・融合という契機に注目してみたい。美術史、科学史、言語・文学・思想などの分野において、インドとインドから見た西方世界ないしは東方世界との関係を扱われている研究者4名にご報告をお願いし、それぞれの分野における研究成果から浮かび上がってくる「インド的文明」像とはどんなものなのかをまずご提示いただく。それらを巡って議論し、「インド的文明」の個性なるものに迫ってみたい。そうした議論を通して、おのずとこれを論ずることの現代的意義が把捉されることを期待する。

なお、この連続シンポジウムは公開ですから、どなたでも参加していただけます。ふるってのご来場をお待ちいたします。

プログラム
<発題者><各40分(質疑含む)>
田辺勝美(美術史/中央大学)
「インド人仏教徒は何故、仏像を創造しなかったのか?」

矢野道雄(科学史/京都産業大学)
「科学史からみたインド文化」

青山 亨(インドネシア文化論・古代史/東京外国語大学)
「ベンガル湾を渡ったインド的文明:東南アジアからの視点」

榊 和良(インド・イスラーム思想史/北海道武蔵女子短期大学)
「内なる『インド的文明』とイスラーム」

<コメンテータ><各10分>
横地優子(文学/京都大学)
北田信(言語学/ドイツ・ハレ大学)

<全体討論40分>

<司会進行>
水野善文


(報告要旨)

田辺勝美「インド人仏教徒は何故、仏像を創造しなかったのか?」
相互互恵の純然たる経済的行為たる「贈与」が、インドでは神聖で宗教的な行為となった。dakSiNA, pUjA, dAna,deyadharmaなどから明らかなとおり、供養・布施などの行為は業と輪廻転生から解脱するための重要な条件となった。これは究極的には見返りを拒絶した一方的な無償の行為で、しかも、その功徳は来世のためであった。このような救済論的見地から「仏陀なき仏伝図」を、西・中央アジアのゾロアスター教の贈与との比較を含めて再検討してみたい。

矢野道雄「科学史からみたインド文化」
日本人がインドを見る目は時代とともに変化している。かつては「仏教のふるさと」「哲学の国」「宗教の国」であったが、現在は「IT大国」として注目されるようになり、それにともない「ヴェーダ数学」とか「インド式計算術」を喧伝する書物が巷をにぎわすようになった。サンスクリットで書かれた天文学・数学・占星術・医学文献を読んできたものとして、科学史の側面からインド文化をとらえ、新たな視点を提供したい。

青山 亨「ベンガル湾を渡ったインド的文明:東南アジアからの視点」
サンスクリットを媒介とする古典的なインド文明は、東南アジアの多くの地域に今日まで残る深い影響を及ぼした。「インド化」と呼ばれるこの歴史的現象は、完成した高度な文明が未開の周辺地域へ伝播する過程として理解されがちであるが、近年の研究の進展は、「インド化」に対するより多面的な見方を可能にしてきた。東南アジアにおける「インド化」の歴史的過程を、南アジアにおける古典的文明の展開や、中国と東アジア諸地域との関係と比較しつつ再検討することによって、ベンガル湾をまたがって南アジアと東南アジアに展開した文化運動として「インド化」をとらえ直してみたい。

榊 和良「内なる『インド的文明』とイスラーム」
イスラーム文化は、自らの文化保持のための努力と土着の文化との妥協、さまざまな面での緊張関係に対処しつつ、対立と共存の中で発展してきた。インドにおいても、「インド人になる」ことや「インド人である」ことから、「外なる」あるいは「内なる」インド的文明に投影された文化を形作ってきた。本報告では、イスラームの宗教伝統のもつ象徴体系や文化的語彙の解釈の中世から近代への変遷を分析することで、伝統の自覚と宗教的混淆と称される大衆文化における内外の対立と融和に表出されるインド的文明を考察する。

A Special Seminar of CSEAS (2008/01/11)

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A special seminar of CSEAS Foreign Scholar on Peace Keeping in Aceh (2007/12/25)

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Security Sector Reform(SSR)in Indonesia(2007/12/22)

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活動の記録>>

Date:14:00-15:30, December 22 (Sat.),2007
Venue:Seminar Room (AA447) at the 4th Floor of Faculty of Engineer Building No.4.
(http://www.kyoto-u.ac.jp/english/eaccess/e07_acce/images/main200708.gif)

Title:"Security Sector Reform(SSR) in Indonesia: Ten Years After".

Summary:
My presentation will focus on why it is very important to undertake
SSR in Indonesia, What kind of difficulties in implementing the agenda
of SSR in Indonesia, what had happened after the Police been separated from the Indonesian National Military (TNI) since 1999. What happened with the SSR after ten years period.

 

活動の記録:
東南アジア研究所外国人研究員のイクラール・ヌサ・バクティ氏(インドネシア科学院(LIPI)の政治学研究所所長)が、スハルト権威主義体制崩壊後のインドネシアで進んでいるセキュリティー・セクター改革について発表を行った。セキュリティー・セクター改革の目的は、スハルト体制期に強い政治的影響力を持っていた国軍を改革し、国防を中心とするプロフェッショナルな軍隊にすることである。そして、スハルト体制期には国軍の一翼でありながら陸海空軍と比べて低い地位にあった警察を国軍から分離して、国内治安の主役に仕立て上げることである。まずはじめに、イクラール氏は1945年独立宣言後のインドネシアにおける国軍の政治社会的位置づけについてきわめて分かりやすく説明した後、セキュリティー・セクター改革の具体的内容とその改革の経緯を発表した。インドネシアに特徴的な国軍による領域管理、地方レベルへの国軍部隊の展開は将来的にも続くこと、国軍に代わって警察が影響力を強めていることなどを手際よくまとめた発表であった。また、イクラール氏自身が今なお続いているこの一連の改革にかなり関与してきており、国会における2002年国防法、2004年の国軍法の制定過程についても詳しく知っていることから、非常に興味深い内輪話まで聞くことができた。

文責:岡本

第 17 回 映像なんでも観る会(2007/12/20)

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日 時:2007年12月20日(木) 15:00~17:30
場 所:東南アジア研究所 東棟2階

タイトル:「社会運動と人々:人はなぜダムに反対するのか?」

巨大な建造物であり高い技術で水を制御するダムは、多くの国で発展の象徴と
して扱われてきました。しかし、ここ10年ほど日本では無駄な公共事業の筆頭と
して槍玉に上がる存在と変わってきています。タイでも同様に住民の反対が強く
「もう国内ではダムは作れない」とまで言われています。しかし、その変化がな
ぜ起きたのか、何があって反対する人々がいるのかは一般には分かりにくいと思
います。今回は、タイで長くNGO活動をされてきた木口由香さん(京都大学ア
ジア・アフリカ地域研究研究科)をお迎えし、タイのダムを巡る1970年代の状況
を取り上げた映画と、ダム反対運動の中で2000年以降に作られた作品、さらに日
本で議論を呼んでいる熊本の川辺川ダムのドキュメンタリーを見ながらその社会
的な背景について考えてみたいと思います。

_作品1 Tongpan (1977)__ 63__分_

Directed by Euthana Mukdasanit, Surachai Jantimatorn

Produced by The Isan Film Group

Written by Khamsing Srinawk, Paijong Laisagoon, Mike Morrow

Starring Ong-art Ponethon

Music by Surachai Jantimatorn

Cinematography Frank Green

Language Thai/Lao (English subtitle)

Tongpanは1970年代、「民主主義」の普及のために地方を回っていた大学生が偶
然出会った東北タイの農民をモデルにしたフィクションです。ダム建設によって
土地を強制収用され、貧しい暮らしをするTongpanを、主人公の学生は研究者や
役人がメコン河開発事業について討論するセミナーに誘います。しかし、発言を
する前に結核を煩う妻を心配しTongpanは姿を消してしまう・・・。

1970年代のタイで、学生運動の成功と軍事政権の復活の合間に偶然が重なってで
きたこの作品は、タイでは一時期上映が禁止されていたましたが、1995年にVCD
として再版され再び注目を集めています。主人公のTongpanを演じたOng-artは、
元々ボクサーでしたが、この映画への出演をきっかけに、「東北タイの子」など
にも俳優として登場しています。

http://www.greentv.org/Tongpan/tongpan.htm より

Tongpan is a black and white theatrical film. It is based on the
real-life experience of a farmer from the poverty stricken Northeast
region of Thailand. Tongpan and his family were forced off their land
when a dam built nearby caused their farm to be flooded in the wet
season and left it parched in the dry.

They have moved to a small town bordering Laos on the Mekong River.
There, Tongpan the farmer is struggling to support his family as Tongpan
the pedicab driver, Tongpan the small time boxer, and Tongpan the keeper
of someone else's chickens.

_作品2 Rebel with a Real Cause: The story of the fight for truth over
the controversy of Pak Moon Dam__(制作年不明)_30 分

Produced by The people of Mae Moon Manyuen village, Assembly of the Poor

Language Thai/Lao (English subtitle)

Tongpanから20年後の東北タイ。1994年に建設されたパクムンダムに反対する地
元の漁民たちは、1999年から約3年間、ダムに隣接した駐車場の敷地を占拠して
Mae Moon Manyuenと呼ばれる「村」を打ち立て、生活しながら抗議をする運動を
展開しました。この運動の成功で、タイ政府から部分的なダム水門開放という譲
歩を引き出しています。この間、運動のため様々な出版物やビデオ作品が登場し
ました。この作品もキャンペーンのために制作され、住民が何故パクムンダムに
反対するのかを人々の声やニュースの映像でつづったものです。

_作品3:「ダムの水はいらん!」(東京ビデオフェスティバル2002__大賞受賞作)_

監督・撮影・編集:佐藤亮一

20分 日本語


元となった映像は、熊本県のアマチュアビデオ作家・佐藤亮一さんがダム建設
による利水事業差し止め裁判の証拠として裁判所に提出したものです。それに一
部過去の記録映像を挿入し、20分の短編として再編集された作品が本編です。ダ
ムの反対のために作られた一編が、はからずも現在の日本の公共事業の裏側を伝
える作品となっています。

第85回生存圏シンポジウム(2007/12/20-21)

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日 時:2007年12月20日(木)~21日(金)
場 所:生存研・木質ホール

第1回赤道大気レーダーシンポジウム >>詳細

申請代表者: 橋口浩之 (京都大学生存圏研究所)

生存圏研究所 第66回定例オープンセミナー(2007/12/19)

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日 時:2007年12月19日(水)

The Usefulness of Pest Termites: Models for Understanding Termite Biology
(害虫としてのシロアリ生物学の理解を目指して)

Michael Lenz (客員教授・オーストラリア)

「アジアの政治・経済・歴史」研究会(2007/12/18)

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日 時:2007年12月18日(火)15:00~18:00
場 所:東棟2階第一セミナー室(E207)

報告者と論題:

  1. Professor George Bryan Souza(University of Texas, San Antonio)
    "An Anatomy of Commerce and Consumption: Merchants and Opium at Batavia over the Long Eighteenth Century"
  2. Professor Eric Tagliacozzo (Cornell University and CSEAS)
    "Opium Smuggling in Island Southeast Asia during the Long Nineteenth Century"

今回は、18世紀から19世紀にかけての東南アジアにおけるアヘン交易をめぐる 2本の報告を中心に、現在日本の学界でも関心を集めているアジア交易圏の転換過程を幅広く議論したく存じます。

京都人類学研究会12月季節例会(2007/12/15)

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日 時:2007年12月15日(土) 13:30開場 14:00開会
場 所:京都大学吉田南構内 総合人間学部棟1102講義室 >>

【趣旨】
現代の世界で、「経済」について人類学的に研究するとは、どういうことなのか?
古典的な経済人類学の柱となってきた「社会に埋め込まれた経済」という概念をひとつの切り口として、新しい<経済人類学>の可能性を議論する。

【プログラム】
14:00-14:10 シンポの趣旨説明:松村圭一郎(京都大学大学院人間・環境学研究科)

14:10-14:50 森田敦郎(東京大学大学院総合文化研究科)
                   「実践への埋め込みから集合性の組み立てへ:
                   アカウンタビリティ、装置と経済化のプロセス」

14:50-15:40 深田淳太郎(一橋大学大学院社会学研究科)
                   「経済としての儀礼とそうではないものとしての商売:
                   貝貨の使い分けに見る交換実践の区切りと交換カテゴリーの生成」

15:40-16:00 休憩

16:00-16:50 山崎吾郎(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター/日本学術振興会特別研究員)
                   「擬制としての贈与: 臓器移植医療における人体の経済」

16:50-17:10 コメント:中川理(大阪大学グローバルコラボレーションセンター)

17:10-18:00 総合討論

18:30-     懇親会

フィールドワーク・インターンシップによる臨地教育研究成果報告会(2007/12/15)

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日 時:2007年12月15日(土) 13:30~17:30
場 所:京都大学吉田キャンパス本部構内
大学院アジア・アフリカ地域研究研究科・会議室(工学部4号館4階東側447号室)


開会の言葉   平松幸三 研究科長
主旨説明    重田眞義 准教授


■フィールドワークの部

福田晋吾
「経済のグローバル化とフィリピンの地場製造業
-マリキナの靴メーカーの経営実態調査を通して-」

姜 明江 
「ザンビアにおけるハンセン病治療と回復者の生活」

中村沙絵
「現代スリランカにおける老人ホームと近隣社会
―サーベイ調査の成果と考察―」

Teshome, Dilu Shaleka
"A study of Indigenous Religion among the Sidama of southern Ethiopia"

森 一代
「ラオスからタイへの出稼ぎ労働者の研究」

■ インターンシップの部

佐藤靖明
「東アフリカ大湖地方におけるバナナの品種多様性に関する人類学的研究
― Bioversity Internationalでのインターンシップ活動―」

木口由香
「NGO活動と調査研究:
東北タイムン川下流域における漁業資源利用に関する研究を通して

村尾るみこ
「難民受け入れ地域における資源の利用と管理に関する研究」

 

生存圏研究所 第65回定例オープンセミナー(2007/12/12)

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日 時:2007年12月12日(水)

芦生のブナは生き残れるか? —天然林の長期動態調査—
Can beech forest survive in Ashiu? —Long term dynamic research of cool temperate natural forest in central Japan—

安藤 信 (フィールド科学教育研究センター・准教授)

第84回生存圏シンポジウム(2007/12/12)

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日 時:2007年12月12日(水)
場 所:生存研・木質ホール

生存圏データベース(材鑑調査室)全国共同利用研究成果発表会 >>詳細

申請代表者: 杉山淳司 (京都大学生存圏研究所)

第83回生存圏シンポジウム(2007/12/11-15)

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日 時:2007年12月11(火)~15(土)

RISH-USM Workshop in PenangUniversity Sains Malaysia

申請代表者: 吉村剛(京都大学生存圏研究所)

第82回生存圏シンポジウム(2007/12/7)

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日 時:2007年12月7日(金)
場 所:化研・総合研究実験棟講義室 (CB207-209)

生存圏学際萌芽研究センター(萌芽・融合プロジェクト)関連シンポジウム >>詳細

申請代表者: 杉山淳司 (京都大学生存圏研究所)

第81回生存圏シンポジウム(2007/12/6-7)

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日 時:2007年12月6(木)~7(金)
場 所:化研・総合研究実験棟講義室 (CB207-209)

開放型研究推進部(全国・国際共同利用装置・施設)関連シンポジウム 詳細>>

申請代表者: 山本衛 (京都大学生存圏研究所)

生存圏研究所 第64回定例オープンセミナー(2007/11/28)

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日 時:2007年11月28日(水)

(仮題) 大気圏・生物圏・森林圏におけるフィールド計測のためのレーザー分光技術の開拓

中村卓司 (生存圏研究所・准教授)

日本南アジア学会20周年記念連続シンポジウム(2007/11/24)

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日 時:2007年11月24日(土) 13:00~17:00
場 所:京大会館

発題者:
小西 正捷 (人類学・考古学・民族文化史)
  「『南アジア』と『インド世界』:周縁からの視点」
下田 正弘 (インド哲学・仏教学)
  「他なる故郷としての南アジア:世界史化された仏教からの問い」
杉原 薫 (経済史・環境史)
  「南アジア史にとって『生存基盤の確保』とは何か」
粟屋 利江 (歴史学)
  「歴史研究/叙述に賭けられるもの:実証と表象の溢路を超えて」
司会 石井 溥 

発題要旨:
「南アジア史にとって『生存基盤の確保』とは何か」
南アジアは熱帯、亜熱帯に属し、太陽エネルギーの吸収量、物質変化(蒸発、分解など)の速度、気候変動、生物多様性などにおて、温帯とは異なるダイナミックな自然環境を有する。宗教、文化、社会の制度もそれに対応して、疫病、旱魃、その他の災害に対処できるような「生存基盤の確保」のための知恵を育んできた。植民地期に導入された技術や制度も、おそらくその基本構造を変えるには至らなかった。その結果、この地域は、少なくとも17世紀から現在にいたるまで世界最大級の人口を維持し続けている。本報告では、そのことの意味を議論してみたい。

杉原 薫
 

生存圏研究所 第63回定例オープンセミナー(2007/11/21)

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日 時:2007年11月21日(水)

(仮題) 衛星データを用いた熱帯域(インドネシアを含む)の降雨、水蒸気量の分布の気候学的特性について研究

1. L Subba Reddy (ミッション専攻研究員)

第34回「東南アジアの社会と文化研究会」(2007/11/16)

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日 時:2007年11月16日(金) 17:00~19:00(16:30 開場)
場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科  工学部4号館 4階会議室(AA447)

話題提供者:青木 恵理子( 龍谷大学社会学部 )

発表テーマ:
社会変容の固有音と通奏低音
—「改革」の時代のインドネシアにおける東部インドネシア・フローレス島の事例に焦点をあてて— 
 スハルト政権が1998年5月に倒れてから、インドネシアでは、「改革reformasi 」、なかでも地方分権化と民主化が、急速に推し進められてきた。分権化・民主化の影響は、中央からの距離、階層、文化の違いによって大きく異なる。影響の大きい地方、階層、文化についてはよく取り上げられるが、影響のとらえどころのない地域や文化はほとんど取り上げられない。しかし、そのような地域は少なくない。ここで取り上げるフローレス島中央山岳部のWG地域はその一例である。
言うまでもないが、インドネシアの地域社会は多様である。17世紀にはジャワ島を、20世紀初頭からインドネシア各地を巻き込んでいった植民地体制による抑圧と教化、第二次世界大戦後のインドネシア国家体制による抑圧と教化から、 WG地域はごく限られた影響しかうけてこなかった。辺境にある、持たざる者たちの幸運により、植民地政府もインドネシア中央政府の持続的な介入から免れてきた。植民地化以前にも、ヒンドゥー、イスラム王権の影響をこうむった証拠はみられない。かなりの程度、自治と民主的な社会を実現してきたWG地域にとって、インドネシア政府による分権化と民主化の推進はどのような意味を持つのだろうか。
インドネシアにおける分権化は、その見せかけに反して、グローバルな圧力のもと、ナショナルな中心周辺構造を守るために施行された。確かに、天然資源の豊富な地方、抑圧蹂躙されていた地方には、望ましい一面を持っている。しかし天然資源を欠き、中央政府によって持続的な関心を払われてこなかった WG地域の生活世界に、分権化の直接的な影響を見い出すことはむずかしい。
2004 年の直接総選挙、正副大統領選挙は、インドネシアにおける民主主義が一応の成立を見たとされる。しかしながら、選挙の結果からは、「ジャワ(中心主義)+エリート統治」の基盤となる選挙民主主義体制成立が見て取れる。インドネシアの推進する「民主化」は、自治と民主的な社会を実現してきたWGの人々にとって、統治される周辺的国民となる契機となるかもしれない。
このような「改革」の時代に、WG地域社会の中核部分でかなり興味深い変化が見られた( 2006年フィールドワーク)。それを紹介しながら、「社会変容の固有音と通奏低音」について考察する。

難民映画の人類学・地域学(2007/11/15-17)

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日 時:2007年11月15日(木) 18:30~20:30
場 所:京都大学吉田南1号館 共311講義室(3F)


1.「ジョージ・クルーニー ダルフールへ行く」
原題: A Journey to Darfur 監督: ジョージ・クルーニー、ニック・クルーニー、ア
メリカ/スーダン(2006)、23分、音声:英語
俳優ジョージ・クルーニーと、ジャーナリストの父ニック・クルーニーが今世紀最悪の人道危機が進行中であると言われるスーダンのダルフールを訪れ、生き延びた人々と対話したドキュメンタリー作品。

2.「レフュジー・オールスターズ」
原題: The Refugee All Stars  監督: ザック・ナイルズ、バンカー・ホワイト、ア
メリカ(2005)、50分、音声:日本語
アフリカ・ギニア難民キャンプで暮らす隣国シエラレオネ出身の6人は、レフュジー・オールスターズというバンドを結成し、音楽を通して生きる希望を見出してゆく。難民として生活することの意味を考えさせられる感動のドキュメンタリー。

解説:栗本英世 (大阪大学グローバル・コラボレーションセンター長)


日 時:2007年11月16日(金)18:30~20:30
場 所:京都大学吉田南1号館 共311講義室(3F)

「サイクリスト」
原題: The Cyclist 監督:モフセン・マフマルバフ、イラン(1989)、83 分、音声: ペ
ルシャ語、字幕:日本語
イランのアフガン難民を暖かいまなざしで捉えたフィクション。重病の妻を抱えて窮乏する難民のナシムは、自転車長距離元チャンピオンの経歴から、1週間不眠不休で自転車に乗り続ける見世物賭博に挑むことになる。「カンダハール」の巨匠モフセン・マフマルバフ監督の初期作。

解説:萩原宏子(NICCOインターン, 京都大学総合人間学部4回生)
折居徳正(NICCO事務局長)


日 時:2007年11月17日(土) 15:00~18:00
場 所:京都大学吉田南1号館 共311講義室(3F)

1.「インビジブル・チルドレン」
原題:invisible children  監督:ドン・マクブリーティ、 ウガンダ/アメリカ
(2004)、55分、音声:英語、字幕:日本語
アメリカの大学生3人が内戦の続くウガンダ北部を旅してとった、ドキュメンタリー作品。子供達が武器となり、犠牲者となる場所での物語であり、ウガンダ北部で20年間続く内戦を生きる子どもたちへの影響を描いている。子どもたちは、反乱兵士に拉致される恐怖の中で生き、凶暴な軍隊の一員として闘うことを強いられている。このドキュメンタリーは、MTV 調の音楽にのせて速いペースで展開するユニークな映画である。若者の目を通して見るアフリカは、ユーモアラスで切なく、示唆に富んでいる。

2.「さまよえるスーダン難民」
原題:Living with Refugees  監督:ソリウス・サムラ、 制作: Insight News
TV(イギリス)(2004), 50分、 音声:英語、字幕:日本語
監督のサムラはスーダン難民と昼夜休まず三日間、およそ65km、日中の気温は40度を越す道のりを歩く。やっとたどり着いたチャドのキャンプでは、難民として認定登録されなければ、テントも食糧も何ももらえない。

3.UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)製作シリーズ
「アフガニスタン-故郷での平和な暮らし」13分
「リベリア-新たなる闘い」9分30秒
「スーダン南部-解決に向けて」8分
UNHCRの日本人職員、NGO日本人スタッフがそれぞれの難民支援事業に関する現場を語る。人道支援や国際協力のキャリアを考えている方には必見! UNHCR 日本人職員が現場の混乱と物資不足の現実を解説。

解説・上月光(国連難民高等弁務官事務所)
パネルディスカッション
    司会:阿部健一(京都大学地域研究統合情報センター)
    村尾るみこ(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 大学院生)
    上月光(国連難民高等弁務官事務所)
    折居徳正(NICCO事務局長)
    宗田勝也(京都三条ラジオカフェ(FM79.7)『難民ナウ!』)
    高松幸司(ジャパンプラットフォーム事務局長/ 京都大学地域研究統合情報センター)

第80回生存圏シンポジウム(2007/11/15-16)

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日 時:2007年11月15(木)~16(金)
場 所:福井市地域交流プラザ

地球電磁気・地球惑星圏学会「波動分科会」 詳細>>
申請代表者: 羽田亨 (九州大学総合理工学研究院)

G-COEプログラム:地域研究の展開と研究教育体制の課題(2007/11/11)

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「動き出したグローバルCOEプログラム:地域研究の展開と研究教育体制の課題」

 

活動の記録>>

日 時:2007年11月11日(日曜日)午前10時30分~午後4時40分

会 場:東北大学片平さくらホール2階会議室
〒980-8577 仙台市青葉区片平二丁目1-1 (地図は下記URLをご参照ください。)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/access_map/map-katahira.htm
共 催:日本学術会議地域研究委員会、地域研究コンソーシアム、地域研究学会連絡協議会
東北大学東北アジア研究センター

 

 この夏、いよいよグローバルCOEプログラム(GCOEプログラム)が動き始めました。
初年度(2007年度)採択の63件のなかには、「学際、複合、新領域」分野のみならず「人文科学」分野などに、地域研究プログラム、さらに地域におけるフィールド調査や地域からの視点を重視したプログラムが相当数含まれています。
GCOEプログラムは、新しい視点による集中的な研究蓄積により卓越した研究拠点を形成するとともに、「我が国の大学院の教育研究機能を一層充実・強化し、世界最高水準の研究基盤の下で世界をリードする創造的な人材育成を図る」(グローバルCOEプログラム委員会、「平成19年度『グローバルCOEプログラム』審査結果について」、2007年6月)ことを目的として設定されました。また、時を同じくして、一昨年に改組された日本学術会議の地域研究委員会においても、地域研究の体制と基盤の整備、とくに大学院教育の改革提言のとりまとめが議論されています。今こそ、科学者コミュニティの英知を集めた、地域研究の体制整備にむけた取り組みが求められていると考えます。
本シンポジウムは、上記のような趣旨に基づき、地域研究に関連するGCOEプログラムから、それぞれのプログラムの特色(課題設定、アプローチ、研究体制など)および次世代育成や大学院教育への取り組みについて報告していただき、新しい地域研究の研究と教育の両面における新機軸と可能性、そしてそのために必要な研究教育体制整備について、率直に意見を交わし検討する機会に、と企画しました。
このシンポジウムは、日本学術会議地域研究委員会、地域研究コンソーシアム、地域研究学会連絡協議会が、協力して開催します。
ぜひ、ご参加いただきますようご案内申し上げます。

シンポジウム連絡先
連絡調整担当:押川文子 
〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学地域研究統合情報センター
電話 075-753-9606(研究室)9616(事務局)
FAX  075-753-9602 e-mail: osikawa@cias.kyoto-u.ac.jp
会場担当(ポスター展示、会場などに関する問い合わせ):高倉浩樹
〒980-8577 仙台市青葉区片平二丁目1-1 東北大学東北アジア研究センター
電話 022-795-7572? e-mail:  hrk@mail.tains.tohoku.ac.jp

*準備の都合上、ご参加の場合は、連絡調整担当まで、事前にご一報いただければ幸いです。当日のご参加も歓迎いたします。


・プログラム (2007.9.06現在)

 
(敬称略)
時間  プログラム 講演タイトル
10:30 開会の挨拶と趣旨説明
北海道大学スラブ研究センター(地域研究コンソーシアム会長)家田修
10:45 報告1

東京外国語大学地域文化研究科地域文化専攻
「コーパスに基づく言語学教育研究拠点」       報告者:峰岸真琴(拠点リーダー)

11:15 報告2

大阪大学人間科学研究科人間科学専攻
「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」      報告者:小泉潤二(拠点リーダー)

11:45 報告3

大阪市立大学都市研究プラザ
「文化創造と社会的包摂に向けた都市の再構築」  報告者:佐々木雅幸(拠点リーダー)

12:15 -13:15 昼食休憩

13:15 報告4

横浜国立大学環境情報研究院自然環境と情報部門
「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」     報告者:松田裕之(拠点リーダー)

13:45 報告5

長崎大学医歯薬学総合研究科放射線医療科学専攻
「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」       報告者:高村 昇(分担者)

14:15 報告6

京都大学東南アジア研究所
「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
報告者:杉原 薫・河野泰之(拠点リーダー、事務局長)
発表資料( PDF)>>
ポスター・パネル(成果公開)>>

14:45-15:00  休  憩
15:00 報告7

早稲田大学アジア太平洋研究科国際関係学専攻
「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点」
報告者:天児慧(拠点リーダー)代理

15:30 日本学術会議からの報告

「日本における地域研究の教育・研究体制の現状とその改革」
東京女子大学(日本学術会議地域研究委員会委員長)油井大三郎

15:50 総括討論
16:30 閉会の挨拶
大東文化大学(地域研究学会連絡協議会事務局長) 加藤普章
 

 若干の変更の可能性があります。




活動の記録:

2007年11月11日、東北大学片平さくらホールにて、連携シンポジウム「動き出したグローバルCOEプログラム:地域研究の展開と研究教育体制の課題」が開催された。このシンポジウムは、2007年度に採択されたグローバルCOEプログラムのうち、地域研究に関連した下記7件のプログラムの特色、次世代育成・大学院教育への取り組みについて報告の後、地域研究の新機軸と可能性やそのために必要な研究教育体制の連携について、率直に意見を交わすことを目的としたものである。

1.    東京外国語大学「コーパスに基づく言語学教育研究拠点」
2.    大阪大学 「コンフリクトの人文学国際研究教育拠点」
3.    大阪市立大学「文化創造と社会的包摂に向けた都市の再構築」
4.    横浜国立大学 「アジア視点の国際生態リスクマネジメント」
5.    長崎大学 「放射線健康リスク制御国際戦略拠点」
6.    京都大学 「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」
7.    早稲田大学 「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点」

本プログラムからは杉原拠点リーダーと河野事務局長が報告を行い、幅広い文理融合と長期的でグローバルな視野の獲得を通じた持続型生存基盤パラダイムの創出という本プログラムの目的と、それを支えるための研究教育体制について説明した。いずれの研究拠点も21世紀COEプログラムを通じて熟成させた個性のさらなる充実と、国際的に活躍できる若手研究者の育成機能の強化を目的に計画されていたが、地域研究のもつ学際性ゆえに、特に若手育成・大学院教育においては大学を超えた交流の必要があるのではといった意見も提出された。地域研究コンソーシアムのような横断的組織を通じた各プログラムの相互連携が、グローバルCOEプログラムのみならず、今後の地域研究発展の1つの鍵となると思われる。

(文責 佐藤孝宏)

「大陸部新時代」研究会(カンボジア特集)(2007/11/3-4)

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日 時:2007月11月3日(土)-4(日)
場 所:京都大学 東南アジア研究所 東棟2階第1セミナー室(207)
京都市左京区吉田下阿達町 46  川端通り荒神橋東詰め

第一回 「大陸部新時代」研究会(カンボジア特集)

【要旨】
本研究会は、東南アジア大陸部における地域像の解明を目的とします。タイ研究を唯一の例外として、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー(ビルマ)といった国々における臨地調査の実施は、長らく、ごく限られたものでした。しかし、1990年代以降徐々に門戸が開かれ、大学院生を中心とした若手研究者が留学・調査に赴いています。その後、現地社会の政治的状況の変化に即した形で調査活動の種類と範囲に変動がみられるものの、大勢としては、新たな資料や視点による研究成果の蓄積が進んでいます。本研究会は、院生を含む若手を中心に、人文社会系だけでなく自然科学系の研究者もあわせて招聘し、地域(村落、地方社会、国家)を対象とする学際的な議論の場を設け、その総合的な把握を試みます。
つきましては、きたる11月3~4日の二日間、第一回の研究会を開催いたします。
今回は、カンボジア研究の特集です。カンボジアで実地調査が再開したのは、国連主導で統一選挙が実施された1993年以降です。以後、まずパイオニア的な実態解明の研究が進みました。1990年代末からは、政情の安定とグローバルな経済状況との接合を背景とした現地社会の変化にともない、研究の対象・スタイルの多様化が顕著になりました。また、王立文書館をはじめとした現地のアーカイブが活用されるようになり、新たな文書資料の発掘も進んでいます。

今回は、専門分野に限定を設けず、近年カンボジアに赴き現地調査を行ってきた(いる)研究者を広く集め、オープンなフォーラム形式で討議を行います。そして、今日のカンボジア研究の全体像を確認し、およびそれが捉えようとする(している)カンボジア社会の現在について意見を交換するだけでなく、独特な文化・歴史経験をもつ対象としての「カンボジア」の固有な性質と状況に関して発展的な議論を生みだすことをめざします。

【プログラム】
 

11月3日(土)
1:30-
2:00
趣旨説明など
2:05-
2:45
神田真紀子(東京大学大学院 人文社会研究科 博士課程)
  「保護領政権下のベトナム人リクルートについての一考察」
2:50-
3:30
山田裕史(上智大学大学院 外国語学研究科 博士後期課程)
  「カンボジア人民党による「一党支配型」権威主義体制の構築: パリ和平協定後
の「国家政党」への変容」
3:35-
4:15
松井生子(広島大学大学院 社会科学研究科 博士後期課程)
  「カンボジアの地方権力とベトナム人
:Prey Veng州Peam Chor郡B村の事例から」
4:20-
5:00
朝日由実子(上智大学大学院 外国語学研究科 博士後期課程)
  「カンボジアにおける伝統染織関連産業の興隆: 消費社会化、グローバル化によ
る影響を中心として」
5:05-
5:45
正楽藍(神戸大学大学院 国際協力研究科 学術推進研究員)
  「カンボジアの教育発展: 基礎教育拡充と学校教育をめぐる諸課題」
5:50-
6:20
討議
6:30- 懇親会
11月4日(日)
9:40-
10:20
小林知(京都大学東南アジア研究所)
「再生から変容へ: ポル・ポト時代以後のカンボジア農村社会の復興について」
10:25-
11:05
堀美菜(東京大学大学院 農学生命科学研究科 博士課程)
  「トンレサープ湖における小規模漁業の役割: コンポントム州と
コンポンチュナ ン州の事例」
11:10-
11:50
柳星口(上智大学アジア文化研究所 客員研究員)
  「カンボジアにおける漁業紛争と漁業改革: 1990年代以降のトンレー・サープ湖
地域の事例を中心として」
11:55-
12:35
野口博史(南山大学総合政策学部)
  「カンボジア歴史地域調査報告: 調査概念と方法論を中心として、2004-2007年」
12:40-
13:30
討議・総括

第147回アフリカ地域研究会(2007/11/01)

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京都大学アフリカ地域研究資料センター
第147回アフリカ地域研究会

日 時:2007年11月1日(木)15:00 ~ 17:00

場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
(京都市左京区吉田下阿達町46)
東棟2階第一セミナー室(207号室)

演 題:アフリカ農村における遺伝資源と生計:バイオヴァーシティ・インターナショナルのケニアにおける経験

講 師:パトリック・ムニャオ・マウンドゥ博士
(バイオヴァーシティ・インターナショナル研究員)

要 旨:
バイオヴァーシティ・インターナショナル(前IPGRI)は、作物の多様性保全および、その多様性を維持・利用してきた農家の生計向上を、多くのパートナーとの協力の下、進めています。過去数年にわたり、バイオヴァーシティ・インターナショナルは、ケニアにおいて、「ヒョウタンの多様性とその利用方法に関する伝統知識のドキュメンテイション」および「低利用伝統野菜の消費振興プロジェクト」を農民と協力して実施してきました。遺伝資源の農民参加型管理・保全と農民の生計向上を同時に達成した成功事例として高い評価を得ている、 これらふたつのプロジェクトの活動内容と成功の要因について報告します。

KIASユニット1「国際関係」 講演会(2007/10/29)

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講演題目:Contemporary Yemen and Islam
講師:Ahmad al-Kibsi (Vice-President for Academia Affairs and Professor of Political Science, Sana'a University)

第25回 バンコク・タイ研究会(2007/10/25)

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日 時:2007月10月25日(木)午後3時~午後6時
場 所:京都大学東南アジア研究所 バンコク連絡事務所


発表者:川澄厚志(東洋大学大学院国際地域学研究科博士後期課程
Coomunity Organizations Development Instituteインターン)

「タイの都市スラムにおける小規模住民組織を通したコミュニティ開発に関する研究」
Study on the Small Neighborhood Groups in Participatory Approach to
Community Development of Urban Poor in Thailand

【要旨】
本研究で対象としたタイでは、2003年にCODI(Community Organizations
Development Institute)の支援を受け、全国の都市貧困層コミュニティ2千地区の
住環境整備を行うことを目的に、バーン・マンコン・プログラム(BMP)が開始さ
れた。この大規模な参加型の開発事業の中で、新たな開発方式として、バンコクのボンガイ地区など、全国にある数地区において開発過程で小規模な住民組織を組織化して事業を実施している点に着目した。コミュニティを対象にした再開発、修復型開発のいずれにおいても、従来はコミュニティ全体をひとまとまりとした開発がなされることが多い。この場合、全体の合意をどのように形成するかが課題であり、ともすれば行政機関やリーダーシップによるトップダウンが先行しがちである。以上の点を踏まえ、本研究は、住環境整備を目的としたコミュニティ開発方式における小規模な住民織の組織化過程、役割、特性について、セルフヘルプによる住環境整備事業が実施された事例を中心に計画論的視点から考察する。



発表者:吉田圭助(東洋大学大学院国際地域学研究科博士前期課程2年
「タイの都市貧困層におけるコミュニティ開発と社会移動に関する研究」
Study on the Social mobility of community development in Urban Poor
Communities of Bangkok, Thailand

【要旨】
スラム・スクォッター地区における住民の生活は、家族構成のうち稼ぎ手が多いことに対し、職業が日雇い労働や商店の経営といったインフォーマルセクターに従事している場合が多く、世帯での収入が少なく安定しない生活を余儀なくされている。そういった背景の下、以前はスラム・スクォッター地区であったがCODI主導のBaan Mankon Programを実施し、コミュニティ全体での住環境整備事業が行われ学歴や職業の視点から社会移動が起きていると考えられる地域を対象地区(C地区)と選定し、都市貧困層コミュニティからの社会移動が起こる可能性を追求する研究を行っている。

生存圏研究所 第61回定例オープンセミナー(2007/10/24)

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活動の記録>>

日 時:2007年10月24日(水)

題目:Evaluation of Biomass Production of Plantation Forest in Tropical Area —A case study of Acacia plantation forest, P.T. Musi Hutan Persada, Indonesia—
「熱帯大規模造林地におけるバイオマス生産の評価」~インドネシア PT Musi Hutan Persada 社アカシア植林地を例として~

発表者: Ragil Widyorini (ミッション専攻研究員)

共同研究者:
  • Shuichi Kawai (Professor, Lab. of Sustainable Material, RISH, Kyoto University)
  • Bambang Subiyanto (Professor, Indonesian Institute of Science, Indonesia)
  • Bambang Supriyadi (PT Musi Hutan Persada, Indonesia)
  • Eko Bhakti Hardiyanto (Gadjah Mada University, Indonesia)
  • Anita Firmanti (Research Institute for Human Settlements, Indonesia)
【要旨】

Tropical forests are one important component of the global carbon (C) cycle. Changes in the carbon standing stock of the tree reflect the balance between growth and mortality (including harvesting) and determine the status of forest as a carbon sink or source. Evaluating the carbon sink function of the tropical forest and confirming the sustainability of wood production is the main goal of the carbon flow analysis project. In this research, we will focus on establishing the data of annual biomass production of acacia plantation forest in tropical area and also relating the effect of the environment constraint to the annual tree growth. This research is performed in cooperation with a tree plantation company called PT Musi Hutan Persada (PT MHP) in South Sumatra Indonesia, which has managed an Acacia mangium plantation forest of 190 000 ha. The research field area is acacia plantation at Unit V of PT MHP, which is around 9 300 ha. We use long-term inventory data collected by PT MHP. The expected outcomes of this research are following; estimation data of standing tree volume, annual increment, the annual/total biomass production at unit V and annual tree growth relation to the data of environment constraint (temperature, rainfall, etc).

Future perspectives such as soil analysis, carbon flow analysis relating to harvesting wood as carbon pool, carbon balance between atmosphere and arbosphere and from soil to atmosphere, can be further analyzed to get a better understanding of the global carbon cycle.


活動の記録:

 本GCOEプログラムの次世代研究イニシアティブによる助成を受けている、Ragil Widyoriniさんによる今年度の研究計画の発表会。研究対象となるMHP社のアカシアマンギウム産業植林地は、イニシアティブ3「地域生存基盤の再生研究」のメインフィールドである。MHP社が提供しているアカシアマンギウムの成長に関する既存のデータから、産業林全体の炭素固定能力を明らかにするためにどのような研究アプローチを取ってゆくかについての発表があった。

文責 佐藤孝宏

東南アジアの自然と農業研究会 第132回研究会(2007/10/19)

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日 時:2007月10月19日(金)午後4時~午後6時
場 所:東南アジア研究所  東棟2階第1教室
京都市左京区吉田下阿達町 46 川端通り荒神橋東詰め

テーマ:「台湾原住民およびバタン諸島におけるキダチトウガラシの呼称・利用方法」
話題提供者:山本宗太(京都大学大学院農学研究科)

【要旨】
  キダチトウガラシ(Capsicum frutescens L.)は多年生の半灌木で、樹高は0.5~2m、果実は1~5cmの紡錘形で、食べると非常に辛く、独特の香りをもつ。キダチトウガラシは中南米原産であるが、現在では熱帯・亜熱帯の幅広い地域に分布している。
東南アジア・東アジアでは、キダチトウガラシは市場で大量に取引されず、主にホームガーデンで栽培されており、在来品種に様々な変異があることが知られていたが、これまでその分布に関する研究報告はなかった。
発表者はこれまで、形態的特徴の違い及びアイソザイム分析によって、東南アジア・東アジアに分布するキダチトウガラシの系統分類をおこなってきた。その結果、南西諸島で採集した系統はインドネシアで採集した数系統と近縁であることが示された。しかし、南西諸島とインドネシアの中間に位置する島嶼部において、キダチトウガラシの分布や利用方法などに関する情報が非常に少なかった。
本発表では、台湾(特に台湾原住民)とフィリピンのバタン諸島におけるキダチトウガラシの呼称・分布・利用方法などの現地調査結果を報告する。これまでの栽培植物の研究は遺伝資源・文化資源ともに原産地、あるいは原産地の周辺地域における研究が多いが、新大陸起源の栽培植物が旧大陸の文化要素にどのように取り込まれているのかをみていきたい。

 問合せ先:
佐々木綾子  京都大学大学院農学研究科
              Tel. 075-753-6361  mailto: sasaki22@kais.kyoto-u.ac.jp
小坂康之 京都大学東南アジア研究所
              Tel. 075-753-7333  mailto: kosaka@cseas.kyoto-u.ac.jp
田中耕司  京都大学地域研究統合情報センター
              Tel. 075-753-9600(センター長室)、9603(代表)、7307(研究室)
              mailto:kjtanaka@cias.kyoto-u.ac.jp

WEBSITE:http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/seana/

 

Forth Wave: Chinese Migration into Southeast Asia in the last 20 years(2007/10/18)

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/en/article.php/special071018_en

Core University Program Special Seminar Project 8(2007/10/16)

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/en/article.php/sonota_20071016_en

アーカイブ:地域情報学研究会「地域研究のためのGoogle Earthと時空間解析ツール」のご案内(2007/10/12)

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日 時: 2007年10月12日(金)13:00~18:00
場 所: 京大会館 210号室

地域情報学研究会「地域研究のためのGoogle Earthと時空間解析ツール」

テーマ:地域研究のためのGoogle Earthと時空間解析ツール
               Google Earth and Geo-temporal Tools for Area Studies

主 催・共 済:JCAS地域情報学研究会、京都大学地域研究統合情報センター、
京都大学東南アジア研究所・地域情報学研究会、
基盤研究(S)「地域情報学の創出-東南アジア地域を中心にして-」
基盤研究(A)「医療地域情報学の確立:疾病構造に着目した計量的地域間比較研究」
京都大学地域研究統合情報センター・全国共同利用研究・
地域情報資源共有化プロジェクト
「地域情報学の創出(HGIS研究会)」
【要旨】
Google Earthとは何か。Google Earthで何ができるか。Webで提供される最先端の情報
技術Google Earthについて学び、地域研究への応用について意見交換する。また時間と空間という概念で地域を観る・解く際に必要なツール開発の現状と課題について検討するのが、本研究会の目的である。
Google Earthは、Web検索エンジンGoogle の検索技術と衛星航空写真、地図、地形や3Dモデルなどを組み合わせて、世界中の地理空間情報を提供するソフトウェアである。このGoogle Earthは、Google社が2005年6月に提供を開始、1年前には日本語版が誕生した。
米国カリフォルニア大学バークレイ校(UCB)では、Google Earthが種々の研究や教育に応用されている。本研究会では、UCBからECAI(Electronic Cultural Atlas Initiative)の情報技術を指導するHowie Lan氏を招聘し、Google Earthの詳細と先端的な活用について紹介いただき、地域研究への活用について議論する。

また、現在、HGIS(Humanities GIS)研究会や大学共同利用機関法人人間文化研究機構の研究情報資源共有化事業の一部として開発を進めている時空間をベースにした諸事象・現象を解析するツールHuMap(Humanities Map)、年表をベースにして諸事象・現象を解析するツールT2Map(Theme and Time Map)、および時空間情報処理に欠かせないデジタル地名辞書の開発の現状と応用について検討する。
【プログラム】
13:00-16:00 Google Earth, Introduction and applications
 
Presentation: Howie Lan
   Language: English
   1. Introduction of Google Earth, Preparation, Simple Demo
   2. Using KML to add point data
   3. Example of advanced usages
16:00-17:30 Introduction and demo of Geo-temporal Tools
 
Presentation: S. Hara and T. Sekino
   Language: Japanese
   1. HuMap: GIS tool, Demo and brief comment on usage
   2. T2Map: Temporal tools, Demo and brief comment on usage
17:30-18:00 Discussion

京都人類学研究会(2007/10/12)

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日 時: 2007年10月12日(金)18:00開場 18:30開始
場 所: 京都大学吉田南キャンパス 総合人間学部棟1階1102講義室

テーマ:「文化」概念を廃棄すべきか?
文化の名による統合と排除-フランス移民第2世代の試み
発表者:竹沢 尚一郎 (国立民族学博物館教授)
コメンテータ:内藤 直樹 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
【要旨】
「文化」はどのようにして少数派を排除するための道具となってしまったのか?
排除と抑圧の道具と化している「文化」概念を、どのように解体し、あるいは代替する概念をつくり出していくか?
私は発表でこれらの課題に取り組む予定であるが、それに際して依拠するのはつぎの2点である。

1.フランスにおける移民第2世代に対する政治-文化的排除。
2.合衆国人類学における「文化」概念の、今から見れば誤ったとしかいえない定式化。

貧困その他の社会問題は、労働組合や市民団体等による社会運動を通じて回収されるというのが、社会学のメタ物語であった。ところが、今日ヨーロッパ各国で生じているのは、外国人移民とその子弟に対する文化の名による排除であり、これに対しては社会的アクターも、メタ物語も作り出すことができていない。この問題に対してどのような取り組みがなされており、どのような課題が積み残されているか、を検討することを通じて、「文化の諸問題にかかわる学」としての人類学について考えたい。

第4回「地域研究アーカイブ」(基盤S「地域情報学の創出」)(2007/10/12)

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日 時: 2007年10月12日 時 間: 16:00~18:30
場 所: 京都大学東南アジア研究所 東棟2Fセミナー室

第4回「地域研究アーカイブ」(基盤S「地域情報学の創出」)

テーマ:「地域研究から自分学へ」
講 師:高谷 好一(
京都大学名誉教授・聖泉大学教授
「地域研究アーカイブ」(基盤研究(S)「地域情報学の創出」)第4回研究会を下記の要領で開催いたします。今回は、東南アジアの景観分類、『熱帯デルタの農業発展』に始まり、『世界単位論』へと地域研究を牽引されてきた高谷好一先生をお招きし、近著『地域研究から自分学へ』(京都大学学術出版会、2006年)を中心に、ご自身の研究遍歴のみならず近未来の地域研究の展望についてお話ししていただきます。
この会合は、長年にわたって特定の地域および「地域研究」と格闘されてきた先達を「語り部」としてお招きして、過去および現在の「地域研究」における研究対象や研究方法の変遷や特徴を浮き彫りにし、その実践を未来への試金石、共有財とする試みのひとつです。とくに若い世代の方々には、大いに益するものと期待しております。

「開発援助と人類学」勉強会(2007/10/12)

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日 時:2007年10月12日(金) 18:30~20:30
場 所:JICA 大阪 (独立行政法人国際協力機構 大阪国際センター)

「開発援助と人類学」勉強会
『開発援助と人類学の距離~どこまで縮まったのか、超えられない溝はあるのか~』詳細>>

日本南アジア学会・第20回全国大会プログラム(2007/10/06-07)

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日 時:2007年10月6日(土)~7日(日)
場 所:大阪市立大学杉本キャンパス)

第1日 2006年10月6日(土曜日)
  受付開始 9:30   1号館 1階

午前の部 10:00~12:30
<小パネル:1> 深刻化する都市環境とカースト/エスニシティ:
                バングラデシュの清掃労働をめぐって
第1会場(1号館 128号教室)
司会:脇村 孝平
趣旨説明:野口 道彦
三宅 博之 「清掃労働をめぐる価値転換」
野口 道彦・佐藤 彰男 「清掃労働者の社会移動」
Iftekar Uddin Chowdhury 「Contemporary Dalit Issues in Bangladesh」
佐野 光彦 「清掃労働者の連帯の可能性:ダカ市清掃労働者組合などを事例にして」
坂本 真司 「清掃労働者コミュニティにおけるメディア文化の形成:
                      衛星TV放送の受容を中心に」
ディスカッサント:篠田 隆・高田 峰夫


<自由論題A>
第2会場(1号館 127号教室)
司会:矢野 道雄・藤井 正人
鈴木 孝典 「インド実在論学派における革新と保守:言語認識をめぐる2つの態度」
杉木 恒彦 「サンヴァラのhomaの体系」
北田 信 「北インドの音楽文献(サンスクリットとペルシア語)」
前島 訓子 「インドにおける『仏教の聖地』をめぐる議論とその展開:
          『仏教の聖地』の地域的固有性の理解に向けて」


<自由論題B>
第3会場(1号館 122号教室)
司会:藤井 毅・南 真木人
木村 真希子 「森林村とトライブの土地喪失:アッサムの「トンギヤ」村を事例に」
榎木 美樹 「部族社会から近代社会へ:インドに居住する
             亡命チベット人のアイデンティティ形成」
森田 剛光 「タカリーと弓:民族技術の伝統と変容」
澁谷 俊樹 「カーリー女神の変容と現在:『おぞましきもの』をめぐって」


ランチタイム 12:30~14:00
午後の部 14:00~16:30
<小パネル:2> 19世紀の南アジア文学にみる作者の内面の揺れ:変革期の多様性
第1会場(1号館 128号教室)
司会:水野 善文
趣旨説明:臼田 雅之
坂田 貞二 「ヒンディー語文人バーラテンドゥ・ハリシュチャンドラ(1850-1885)に
見られる揺れ:韻文によるクリシュナ神讃歌から、散文による民族像素描へ」
ディスカッサント:長崎 広子
松村 耕光 「ムハンマド・フサイン・アーザード(1830?1910)のウルドゥー詩改革論」
ディスカッサント:萩田 博
臼田 雅之 「ナショナリズム・叙事詩・抒情詩:タゴール登場のころのベンガル」
ディスカッサント:杉本 浄
石田 英明 「近代マラーティー文学とKeshavsut(1866-1905)」
ディスカッサント:小磯 千尋
(補足コメント)マラヤーラム文学の場合:粟屋 利江
(補足コメント)サンスクリット学者の場合:水野 善文

<自由論題C>
第2会場(1号館 127号教室)
司会:長崎 暢子・三宅 博之
七五三 泰輔 「環境保全政策の実践における生産資源をめぐる文化の政治:
  バングラデシュ、ハカルキ・ハオールにおける環境保全プロジェクトを事例として
宮本 万里 「ブータンの自然国立公園における環境保護政策と地域社会:
  『環境にやさしい』生活様式をめぐる文化の政治」
石坂 晋哉 「環境運動におけるガンディー主義者の行脚と断食:
  スンダルラール・バフグナーの「昇華」の哲学と政治」
石井 一也 「グローバル化時代におけるガンディー思想の意義:
  アマルティア・K・センによる批判を超えて」


<自由論題D>
第3会場(1号館 122号教室)
司会:藤田 幸一・吉田 修
佐藤 誠 「インド・オリッサ州における染織業生産者世帯の家計と生活戦略」
今藤 綾子 「村落パンチャーヤット議員の政治活動に関する一考察:
   ケーララ州タリクラム村におけるインタビュー調査から」
Farhat Tasnim 「Civil Society in Bangladesh:
   Vibrant but not Vigorous」
山本 真弓 「1964年ブータン首相暗殺事件とチベット独立運動」


16:40~17:20    会員総会   第1会場 (1号館 128号教室)

17:30~19:30    懇親会        高原記念会館

第2日 2007年10月7日(日曜日)

午前の部 10:00~12:30
<小パネル:3> 現代インド経済の課題と展望
第1会場(1号館 128号教室)
司会:宇佐 美好文
趣旨説明:佐藤 隆広
馬場 敏幸 「インドの金型産業」
上池 あつ子 「インドの製薬産業」
杉本 大三 「インドの農業」
佐藤 隆広 「インドのマクロ経済」
福味 敦 「インドの財政政策」
久保 彰宏 「インドの金融政策」
ディスカッサント:絵所 秀紀


<自由論題E>
第2会場(1号館 127号教室)
司会:井坂 理穂・水島 司
小嶋 常喜 「植民地期インドにおける農民の登場:
  キサーン・サバー運動の社会史的系譜」
五十嵐 理奈 「バングラデシュ美術の成立に果たしたチッタゴン派の役割」
川津 千佳 「植民地期インド軍のインド化とナショナリズム」
土本 恵介 「ジンナーの政治活動について:1906年から1916年を中心に」


<自由論題F>
第3会場(1号館 122号教室)
司会:押川 文子
加瀬川 雅人 「グローバル状況下の民族医療における知識の新たな位置付け:
  インド・ケーララ州の事例から」
菅野 美佐子 「女性は変化をいかに語るか:
  ウッタル・プラデーシュ州農村社会における参加型開発とジェンダー規範の変容」
小原 優貴 「初等教育の普及における政府と住民組織の連携:
  インドのオルタナティブ教育の考察から」


ランチタイム 12:30~13:30
午後の部 13:30~17:00  大会場 (7号館 704号室)
<全体シンポジウム> 南アジア・日本・世界:グローバル化と南アジア認識の変貌
司会:秋田 茂・山根 聡    趣旨説明:脇村 孝平
片岡 啓 「インド学 」
中島 岳志 「思想」
黒崎 卓 「経済」
三輪 博樹 「政治」
大石 高志 「歴史」
田辺 明生 「社会」
ディスカッサント:辛島 昇・中村 尚司

【 趣旨 】
<全体シンポジウム> 学会創立20周年企画「南アジア・日本・世界:グローバル化と南アジア認識の変貌」
かつて南アジアは、わが国の人びとにとって、「植民地支配」、「貧困」、「後進性」、「異文化」、「悠久」など様々なイメージ・観念を喚起する非常に個性的な文化・文明ではあったけれども、あくまでも世界における周縁に位置づけられる存在に過ぎなかった。しかし、1990年代以降、グローバル化の一層の進展とともに、私たちの南アジア認識にも大きな転換が訪れた。南アジアは、インドの経済的台頭や世界各地における南アジア系ディアスポラの活躍などもあって、個性的ではあるけれども周縁的な文化・文明というのに止まらず、グローバル化した世界における基軸的な存在として姿を現そうとしている。このことは、現在の南アジア世界への認識だけではなく、私たちが南アジアの歴史をどのように捉えるのかという、歴史像の問題にすら影響を及ぼそうとしている。
学会創立20周年を迎えるにあたって、本シンポジウムが、このような南アジア認識の変貌を、今日までのわが国における南アジア認識の変遷を辿りつつ、位置づける試みとなれば幸いである。したがって、報告者の方々には、でき得る限り、今日までの南アジア研究の精神史的文脈にも論及していただくことをお願いしている。報告者には、今日の南アジア認識の変貌に関して鋭敏な感覚を有する少壮の研究者にお願いし、他方でコメンテーターとして、長年にわたって南アジアを見つめてこられた先学の先生にご登場いただくことになる。
報告者の方々には、それぞれの分野に関して、(1)わが国の南アジア研究におけるintellectual
historyを振り返りつつ、(2)現代(1990年代半ば以降)における南アジア認識の変貌を語っていただくこと。逆に言い換えると、(1)現代(1990年代半ば以降)における南アジア認識の変貌を語っていただきつつ、(2)わが国の南アジア研究におけるintellectual
historyを振り返っていただくことをお願いしている。

熱帯・亜熱帯林の世界:東南アジアの森で何が起こったか(2007/10/06)

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日 時:2007年10月6日(土)
場 所:総合地球環境学研究所

本ワークショップは、総合地球環境学研究所の研究プロジェクト「アジア・熱帯モンスーン地域における地域生態史の統合的研究:1945-2005」(代表 秋道智彌教授)と「持続的森林利用オプションの評価と将来像」(代表 市川昌広准教授)が合同で開催したものである。これらのプロジェクトには、本プログラムのメンバーも多数参加しており、その趣旨も本プログラムの趣旨に近い。前者が東南アジア大陸部のラオス北部を主たる調査地としてきたのに対して、後者は東南アジア島嶼部のサラワク(マレーシア)を対象としてきた。両地域の森林と森林利用誌には、どのような類似性と異質性があるのか、両者の比較において東南アジア大陸部と島嶼部や亜熱帯林と熱帯林という分析枠組みが有効かどうかなどが主たる論点であった。

ラオス北部とサラワクでは、少数民族が焼畑を基盤とする生業を営みながら、軽量で高価な森林産物を狩猟採取し交易に供してきた。19世紀になると、植民地政府が森林資源の保全や税収の確保のために土地や森林を管理するための制度整備を進めたが、その実効性は疑わしいものであった。20世紀になると木材ブームが起こる。ラオス北部ではチークが、サラワクではフタバガキ科が主たる対象となった。択伐による木材伐採だったので、木材ブームは森林を徹底的に破壊するものではなく、木材伐採と焼畑は両立した。ここまでの両地域の森林利用誌において、森林植生のタイプの違いを反映して森林産物の種類や伐採樹種は異なるが、地域住民の生業構造や政府の森林資源の利用・管理制度、そして森林利用における地域住民と政府との関係は大差のないものだった。

しかし20世紀後半になってサラワクに大規模プランテーションが導入されて以来、両地域の森林利用はまったく異なる様相を見せている。サラワクでは、森林の皆伐によって、当初はオイルパームの、ついでアカシアマンギウムの大規模造林が展開され、単一樹種の造林地がかつての森林面積の過半を占めるに至った。すなわち経済的な利益を追求するために、政府主導による根本的な自然改造が進行した。これに対してラオス北部でも、かつてはチークの、近年はゴムのプランテーションが試みられているが、その規模は限定的であり、地域住民による焼畑と緩やかな焼畑から常畑への転換および水田の拡大が地域経済の基盤をなしている。

両地域が20世紀後半になって見せた違いは何に起因しているのか。ラオス北部では歴史を通じた移住により比較的大きな人口密度が維持されてきたのに対して、スマトラの人口密度が小さいこと、すなわち在来の生業による土地利用圧が小さいことが大規模プランテーションの導入を促したのではないかという考えもある。また熱帯林は、地球上で最大のバイオマス資源量をもつ。この点を、外部社会による森林利用への介入などを含めて、両地域における森林利用誌の異質性を考える際の出発点とすべきであるという考えもある。しかしプランテーションは、現存する森林植生そのものを利用するのではなく、それをリセットし、樹種や生態系を完全にコントロールして成り立っている。豊富な日射量や降水量、年間を通じた高温などの赤道域の特異な自然環境が、圧倒的な資源量をもつ熱帯林を育み、かつ大規模プランテーションの造成を促した要因と考えられるのではないだろうか。

エネルギーや水の循環を人類の生存基盤としてより効率的に利用するための技術の地球規模での構想・開発が加速すれば、地球上でそれが最も盛んな赤道域の重要性はますます高まるに違いない。希少な赤道域を人類の生存基盤として有効に活用する方策を考える必要がある。

 

(文責 河野)

Cropping Systems and Agricultural Implements in Different(2007/09/25)

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English page>>
/en/article.php/special070825_en

第33回「東南アジアの社会と文化研究会」(2007/9/21)

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「東南アジアの社会と文化研究会」を、以下のとおり開催いたします。今回は、東南アジア学会関西例会と共催です。 オープンな研究会ですので、ふるってご参集くださるようお願いいたします。

◆日時
2007年9月21日(金) 16:00-18:00

◆場所
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 
中央総合研究棟(旧・工学部4号館)4階 会議室(AA447)
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html

◆話題提供者
飯國有佳子氏(国立民族学博物館・外来研究員)

◆司会(コメント)
加藤眞理子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

◆演題
「東南アジアにおける宗教とジェンダー研究の再考 ― ビルマにおける宗教実践の事例から― 」  

◆要旨
東南アジアのジェンダーを語る際、よく聞かれるのは、女性の地位が相対的に高いという説明である。その際、経済活動への参加度、親族組織、相続形態などが、地位の高さを示す事例として持ち出されてきた。一方で、仏教やイスラームなど宗教の如何を問わず、女性は宗教的・象徴的に劣位におかれているとも言われている。
このうち、前者のように女性の地位の高さを強調する場合には、宗教上の劣位は触れられないか、例外扱いされてきた。他方、女性の宗教上の劣位を主張する後者の研究では、教理的理解が前面に押し出されてきた。そのため、宗教が実践される場におけるジェンダーは捨象されることが多かった。また、教理を過度に重視するあまり、政治や経済など、宗教とは直接かかわらない場のジェンダーをも、教理によって説明しようとする試みもみられた。ここから東南アジア、特に大陸部のジェンダー研究は宗教の適切な位置づけに苦慮してきたと言うことができるだろう。しかし、当該社会のジェンダーを考える上で、宗教は外すことのできない重要なテーマのひとつである。ジェンダーと宗教をめぐるこうした問題を乗り越えるにはどうすればよいのだろうか?
本報告では、こうした問題への接近を試みるために、ビルマにおける女性の具体的な宗教実践を事例として取り上げる。なぜなら、これまでの宗教に関連するジェンダー研究の多くが、経典に見られるようなジェンダー規範に依拠するかたちで当該社会のジェンダーを考えてきた。そのために、女性の具体的な宗教的行為には十分な光が当てられず、結果として宗教を適切に位置づけることができなかったと考えられるからである。さらに、女性の宗教実践に注目する際には、その実践を安易に経典を持ち出して説明するのではなく、それらを規範とした実践を行う個々人の立場から捉える必要があるだろう。発表では、宗教的・社会的権威の承認が最も顕著なかたちで現れる儀礼の場における実践と、それをとりまく日常的な場における女性の行動や語りを扱うことで、個々の女性がいかに宗教的・社会的権威に服従し、それをどのように読み替え、時に権威に対抗するような実践を行っているのかを明らかにする。
このように、儀礼や日常生活などの具体的な宗教実践の場において、女性がいかに宗教を生きているのかに着目することを通して、これまでの東南アジア大陸部における宗教とジェンダー研究の再考を試みてみたい。


研究会ホームページ
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/kenkyuukatsudou/syakai-bunka/index.html


[研究会世話人/事務局]
杉島敬志 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
林  行夫 (京都大学地域研究統合情報センター)
速水洋子 (京都大学東南アジア研究所)
伊藤正子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
王 柳蘭  (京都大学大学院・アジアアフリカ地域研究研究科)


備考
・事前の参加予約は必要ありません。
・当日は、資料代として100円をいただきます。

「アジアの政治・経済・歴史」研究会(2007/07/30)

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活動の記録>>

日 時: 2007年7月30日 時間: 10:00~11:30

場 所: 東棟1階会議室(107)

テーマ: “Public Finance in East Asia: National, Regional and Global Perspectives”

活動の記録:

UCLAアジア・センター所長のビン・ウォン教授を招き、グローバルCOEの構想を理解していただいた上で、パラダイム形成への示唆となるような報告をお願いした。
教授は、China Transformed: Historical Change and the Limits of European Experience (1997)における財政・公共政策の歴史的理解をふまえて18世紀から現代までの議論を概観し、ヨーロッパで成立した主権国家やその上に作られた地域単 位としてのEUが、それぞれの地域住民の余剰を吸収して再配分する場合、その政治的思想的な根拠は歴史的径路依存性にもとづいたものであり、他の地域にも そのまま当てはまるような普遍性を持つわけではないことを指摘するとともに、それが世界政府の存在しない状況の下での世界公共財の配分の問題の困難さにも つながっていると論じた。
The Coalition for Rainforest Nationsの事例がひかれ、世界公共財とは区別された「地域公共財」の可能性についても議論された。

(文責 杉原)

第146回アフリカ地域研究会(2007/07/28)

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京都大学アフリカ地域研究資料センター
第146回アフリカ地域研究会

日 時:2007年7月28日(土)15:00 ~ 17:00

場 所:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(京都市左京区吉田本町)工学部4号館大会議室(447号室)

演 題:共生をめぐる秩序構造研究にむけて-ウガンダ・アルバート湖岸の漁村の事例から
(Towards a Study of the Structural Order of Co-existence:
The Case of a Fishing Village on the Lake Albert, Uganda)

講 師:田原範子(四天王寺国際仏教大学・短期大学部 准教授)
Noriko Tahara
(Associate Professor, International Buddhist University)

コメンテーター:
中山節子(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
Setsuko Nakayama(ASAFAS, Kyoto University)

要 旨:
異なる言葉、異なる行動様式をもつ多民族が混住し、交流を余儀なくされる地において、日常経験の何が正当化され、生活の論理はどのように構成されていくのか。
アルバート湖岸の漁村ルンガは、ニョロ人が最大民族集団であるホイマ県に位置しながらもウガンダの西ナイル地域、およびコンゴ民主共和国からの移民アルル人が住民の大半を占める「移民コミュニティ」である。ここは1960年代に誕生し1980年代後半にウガンダの地方政治組織と市場に組み込まれた。ここは国家/市場/移民ネットワークという構造的制度的文脈を背景としながら、多様な社会空間が越境し絶え間なく編成されている場である。
生活の局面において、アルル人/ニョロ人、コンゴ人/ウガンダ人は制度化された差異のみならず、ときに感情的齟齬を生じさせるものとして言及され、承認される。にもかかわらず、生産関係、つまり生産(漁労)と分配(魚の流通)をとおして構築される交流はそうした差異を超越する。生産関係のもたらす生活の共生はいかなる社会秩序を構築するのか。2001年より断続的に実施しているフィールドワークの資料より考察を行いたい。

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この研究会は日本アフリカ学会関西支部との共催です。いつもの研究会と「曜日」と「場所」が違いますのでご注意下さい。

アフリカ地域研究会の案内をFAXおよびE-mail でお送りしています。ご希望の方は下記にお知らせ下さい。
連絡先:京都大学アフリカ地域研究資料センター、宮本可奈子
TEL:075-753-7822 FAX:075-753-9191
E-mail:kanako@jambo.africa.kyoto-u.ac.jp

視察報告:インドネシア・ジャワ島中部地震被災地の視察(2007/07/25-28)

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2006年5月に発生したジャワ島中部地震で大規模な被害を受けたジョグジャカルタ近郊の農村地帯を、地域研究統合 情報センターの山本博之さんや東京大学の西芳実さんらと見て歩いた。震災被害が最も激しかったイモギリ郡周辺では、まだ瓦礫のまま手付かずの住宅もあった が、すでに多くの農村では震災以前の状況に回復するための復興過程を経て、より災害に強い生活基盤の構築を目指す開発過程へと移行しているように見受けら れた。震災直後に設置された国連人道問題調整事務所(UN OCHA)もすでに引き払われていた。

スマトラ沖地震津波災害の直後からアチェの復興をつぶさに観察されてきた山本さんと西さんによると、アチェとジョグジャカルタでは復興過程に大きな違いが 見られるという。前者では、少なくとも現地社会は、外部からの支援を全面的に受け入れようとしたのに対して、後者では、復興過程の主役は現地の行政組織や 住民であり、外部からの支援はそれをサポートするという位置づけだった。その背景の一つとして、アチェの場合には津波によって住宅やインフラがいわば完全 に破壊されたのに対して、ジョグジャカルタの場合には、震災の数日後には送電が復活するなど、物的な被害が限定的であったという被害状況の違いを挙げるこ とができるが、同時に、震災を契機として外部世界とのつながりを再強化しようとしたアチェと内部社会の結束を再確認しようとしたジョグジャカルタという社 会的な違いも想定できる、ということだった。

工学技術がいくら進歩しても、地震や洪水などの大規模自然災害を完全に防ぐことは不可能である。したがって自然災害からの復興は人類共通の課題である。し かし、いかなる復興過程が適したものであるのかは、地域の歩んできた歴史や地域社会に内在する組織や制度によって異なる。

(文責 河野)