京都人類学研究会(2007/10/12)

日 時: 2007年10月12日(金)18:00開場 18:30開始
場 所: 京都大学吉田南キャンパス 総合人間学部棟1階1102講義室

テーマ:「文化」概念を廃棄すべきか?
文化の名による統合と排除-フランス移民第2世代の試み
発表者:竹沢 尚一郎 (国立民族学博物館教授)
コメンテータ:内藤 直樹 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程)
【要旨】
「文化」はどのようにして少数派を排除するための道具となってしまったのか?
排除と抑圧の道具と化している「文化」概念を、どのように解体し、あるいは代替する概念をつくり出していくか?
私は発表でこれらの課題に取り組む予定であるが、それに際して依拠するのはつぎの2点である。

1.フランスにおける移民第2世代に対する政治-文化的排除。
2.合衆国人類学における「文化」概念の、今から見れば誤ったとしかいえない定式化。

貧困その他の社会問題は、労働組合や市民団体等による社会運動を通じて回収されるというのが、社会学のメタ物語であった。ところが、今日ヨーロッパ各国で生じているのは、外国人移民とその子弟に対する文化の名による排除であり、これに対しては社会的アクターも、メタ物語も作り出すことができていない。この問題に対してどのような取り組みがなされており、どのような課題が積み残されているか、を検討することを通じて、「文化の諸問題にかかわる学」としての人類学について考えたい。

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