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Kenneth Pomeranz, “The Great Himalayan Watershed: Agrarian Crisis, Mega-Dams and the Environment”, New Left Review, 58, July-August 2009, pp.5-39.

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久しぶりに衝撃を感じる論文に出くわした。チベット高原とヒマラヤ山脈の高みからアジアの水問題を論じた雄編である。中国が他のアジア諸国に対して現在持つ環境的経済的優位を利用すれば、有史以来最大の規模の土木工事によって、チベット高原の水を黄河に乗せて中国北部に送る計画を実行に移す可能性があるという。これまで南アジアに流れだしていた水すらその射程に入っているらしい。そうなれば、北インドの農民すら大きな打撃を受けかねない。にもかかわらず、食糧輸入によって安全保障を脅かされないために、中国が水不足に悩む自国の農業を守ろうとする動機は十分にある。伝統的な方法による水利用の効率改善は、農民に十分なインセティブが与えられておらず、思うように進んでいないこともある。だが、この種の巨大工事や大規模ダムの建設は、中国国内で強制移住や環境破壊をもたらしているだけでなく、すでに南アジア、東南アジアの農業、漁業、環境などにも大きな影響を及ぼしている。それはすでに国際紛争の火種として、アメリカ、中国、インドを含む国際関係の一部となりつつあるという。

ポメランツのこうした立論の基礎には次の三つの認識がある。まず、中国がそれまで数世紀にわたって実践してきた、西域を緩衝地帯と見なす政策をここ20年ほどのあいだに大きく転換したとする歴史理解である。中国が、チベット、雲南を中心とする地域の水力、電力を将来の経済発展に必須のものと位置づけ、西部開発に乗り出した以上、この政策を簡単に元に戻すことはむずかしいだろう。次に、この地域の水に依存する他のすべてのアジア諸国とは異なって、中国は、いまや国際機関の資金や先進国の技術に頼らなくても、巨大ダムや水路変更工事に必要な資金や技術をみずから調達できる力を持っている。第三に、ガンジス川を除くすべての巨大河川(黄河、揚子江、メコン川、サルウィン川、イラワジ(エーヤワディー)川、ブラマプトラ川、サトレジ川、インダス川)はチベットを含む中国側から流れだしているにもかかわらず、これらの水の一部を南アジア・東南アジア諸国が受け取ることを保証する国際的なメカニズムは存在しない。中国の国家意志を外からチェックする方法は、明らかなかたちでは存在しないのである。

1940年代末以降、インドも中国も大量の地下水を消費してきたが、水位はどんどん低下しており、このようなやり方をさらに長期間続けることはできない。高地から下ってくる水は、現代の技術なら巨大ダムを作ってその勢いを電力に変えることもむずかしくない。人口増加を背景として、いたるところで水不足、エネルギー不足が顕在化しているいま、水とエネルギーの確保をねらった前人未踏の巨大事業が構想されても不思議はないのである。

しかし、われわれは、チベット高原・ヒマラヤ山脈の水を安定的に利用するためにどのような技術と制度が必要かなどということを、こうしたスケールで考えたことがあるのだろうか。言うまでもなく、この地域の氷河や積雪は、「中国」や「インド」が誕生する前から、アジアの低地に水を供給し続けてきた。それは「モンスーン・アジア」の気候変動と水循環の重要な部分を構成している。やがて、河川の流域や河口のデルタ地帯に多様な文明が生まれ、この地域に特徴的な稲作農耕や人口梢密な社会が発展した。しかし、そこで長年にわたって培われてきた技術や制度は、このような規模での人間の環境への介入を想定したものではなかった。もちろん国境線も、そのようなことを想定して引かれたわけではない。
現在、世界人口の半分近くがこの水系に依存して生活している。関係する地域のスケールだけでなく、考えなければならない問題のスケールもまた大きく、深いというほかはない。
 

杉原 薫

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