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「生存圏に宇宙は必要なのか - イノチのつながりと人と世界 -」(イニシアティブ4 研究会)

日 時:2008年10月21日(火) 16:30~18:00PM → 時間変更 14:00~15:50PM
場 所:京都大学東南アジア研究所東棟2階大会議室(E207)→ 場所変更 旧工学部4号館4階大会議室 
 

報告者:篠原真毅(京都大学生存圏研究所准教授)
タイトル:「生存圏に宇宙は必要なのか - イノチのつながりと人と世界 -」
 

要旨:
人間が今後持続可能な生存圏を形成していくために宇宙は本当に必要なのであろうか。減りゆく人口とこれまでのストック、太陽エネルギーと再生可能エネルギーの有効利用というパラダイムシフトで人間は生存が可能であろうか。本講演では地球環境の現状とそれをもたらした人間の業と性を考え、その間をつなぐ社会=イノチのつながりの重要性を述べながら、人という特殊な生物に適した生存圏に関して考察する。






【活動の記録】

本報告は、持続的な生存基盤を構築するための宇宙開発の役割という問題を出発点としながら、マルサス的な宿命論と科学技術との関係について考察をおこなったものである。

マルサスの人口論(過剰な人口がもたらす貧困は避けがたく、疫病や戦争はその解決策である)は、歴史的には技術の進歩によって乗り越えられたとされる。このことを踏まえ、1970年代に提出された「成長の限界」説や、近年の環境危機説についても、宇宙開発を含む科学技術の展開によって解決が可能であるとの立場がある。科学技術による解決を信じる立場は、結局のところ、人間を「裸のサル」すなわち、その生物としての脆弱さゆえに過剰な欲求を抱えた存在と見なしているように思われる。
 

他方で人間は、社会的な存在でもある。そのために人間は、協調と規律によって欲望を統御し、生存基盤を確保することができるという立場もあるだろう。これらふたつの立場を比べたとき、倫理によってすべての問題を解決できるという立場をそのまま信用することは難しい。しかし、だからといって、科学技術でしか問題が解決されないと考えることは、裏を返せばマルサス的な宿命論をそのまま受け入れることになる。人類の生存基盤を確保するためには、人間の欲求に対処するための手段としての宇宙開発を一方で進めながら、同時に社会的な倫理ないしは規範について考えることが必要である。
 

 本報告を受けて、次のような議論がなされた。まず本報告が、個人の欲望の拡大という枠組みを前提としていることに対して、人の欲求は量的な拡大を志向するとは限らず、「満足」や「信用」といった社会的な欲求もあるので、欲求そのものの質的な変容も視野に入れた議論をしていく必要があるとの意見が述べられた。また、社会のあり方やそこに生きる個々人の欲求について、マルサス的な史観に基づいた単一の発展経路を前提にするのではなく、その時代・その社会の状況に埋め込まれた価値を考慮し、複線的な発展経路を考える必要があるというコメントがなされた。
 

(文責 西真如、加瀬澤雅人)

 

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