jikotenken_2012naito
24/180

- 21 - とである。これらの目的は、ローカルな知や技術・制度だけでも、科学技術や、市場や国家のような「インパーソナルな」諸制度だけでも達成されえない。この両者をいかに関係づけるかということが「知の接合」という問題系である。 本シンポジウムの目的は、以上のような問題について、具体的な事例の検討を通じて分野横断的な議論を行うことで、持続的な生存基盤に向けた人間圏の再構築の方向性を見定めることである。 報告者および演題: 1. 石本雄大(総合地球環境学研究所)「ブルキナファソの半乾燥地域における生計維持システムの研究―旱魃や虫害への適応および対処行動に関する統合的分析」 2. 澤野美智子(神戸大学)「「親密圏」としての「家族」?―韓国の家族研究の展望」 3. 山本佳奈(京都大学)「湿地における「個人の土地」と「みんなの土地」のせめぎあい―タンザニア農村部の耕地と放牧地をめぐる住民の対立」 4. 鈴木遙(京都大学)「森林へのケア―インドネシア東カリマンタン州沿岸村落における木造住居の修理・建て替えを事例に」 5. 岡部真由美(国立民族学博物館)「現代タイにおける開発と僧侶をめぐる一考察―寺院および地域コミュニティにおける僧侶の実践とネットワーク形成を中心に」 6. 浅野史代(名古屋大学)「ブルキナファソ、ビサ社会における女性の生活と「開発」の関係」 7. 渡辺文(一橋大学)「関係性としてのスタイル―オセアニア芸術における個性と集合性の調停メカニズム」 8. 徳安祐子(九州歯科大学)「精霊がつなぐ人と自然―ラオス山地民カタンの村の事例から」 9. 大橋美晴(大阪大学)「新たな「市民性」創出としての先住民教育: ボリビア農村のコムニダにおける農村教師の教育実践から」 10. 李豪軒(大阪大学)「電子業界における日本企業と台湾企業のエンジニアの比較―共同体意識と「株」からの考察」 5.2.4 生存圏科学国際スクールとシンポジウムへの若手研究者派遣 生存圏研究所、東南アジア研究所、G-COEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」、およびインドネシア科学院 (LIPI) の共催により、平成22年6月10-12日にインドネシア・ジョグジャカルタにおいて開催された第4回生存圏科学スクール (Humanosphere Science School) に、若手養成・研究部会としてMohamad Najmul Islam (ASAFAS院生)、浜元聡子(東南アジア研究所研究員)、木下博子(ASAFAS院生)の3名を派遣した。生存圏科学スクールにおける各自の報告演題は次の通り。 1. Mohamad Najmul Islam, “Survival Strategies of the Riverbank Erosion Displaces: A Study on Padma River in Bangladesh” 2. Dr. Satoko Hamamoto, “Tracing Commitments to Disaster Restoration: Anthropological

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です