jikotenken_2012naito
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- 13 - な概念について、読解・討論を通じて理解する。 生存圏科学論(後期2単位、山本衛 他) 人類の生存圏である人類生活圏、森林圏、大気圏、宇宙圏などにおいて、人類社会の持続的発展を考える上で重要となる自然あるいは人為起源の現象がどのように生起しているのかについて明らかにする。特に、地球大気環境の精密な計測手法について紹介するとともに、観測情報の統合的な解析を通してそのメカニズムを総合的に分析する。また、森林の作用に注目しながら、生命科学的観点から森林資源としての木質の形成機構の解析・統御方法について考察するとともに森林の環境修復を目指した研究を紹介する。 国際環境医学論(後期2単位、松林公蔵) 疾病ならびに人の老化のありさまと生態系、文化との関連を論ずる。また予防医学的な観点から、熱帯地域に滞在する場合の医学的注意事項に関する基礎的な知識の習得もめざす。疾病と老化に関する基本的事項を総論的に解説したのち、人の疾病、老化と自然生態系ならびに文化に関する諸問題について、各受講生の関心領域との関連で、自由討議をおこなう。 人間環境関係論(後期2単位、田辺 明生) 人間と環境の相互作用的な関係について、社会と技術と生態の連関に注目しながら論じる。持続型生存基盤の構築に向けて、人間と環境の関係をどのように再構築できるかを地球と地域の両方の視点から考察する。 熱帯乾燥域生存基盤論(前期集中2単位、小杉泰・長岡慎介) 熱帯乾燥域である中東・北アフリカについて、歴史的にどのような生存基盤持続型の社会・経済・政治システムが展開してきたのか、その特徴とは何か、またそのような文明的な遺産を現代的に展開しつつあるイスラーム金融などの発展からいかなる将来的な展望が描きうるのか、考察する。 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科は、5年一貫制大学院であり、これらの科目はいずれも、博士前期課程・後期課程を区別せず履修することができる。多くの大学院生は、第一年次や第二年次にこれらの科目を履修し、第三年次以降は、研究分野を横断する3名の指導教員による指導のもと、博士論文に向けた研究に専念している。 5.1.2 フィールド・ステーションを活用した若手研究者の育成 海外拠点を活用した研究教育支援体制の充実は、本プログラムにおける重要課題の一つである。本プログラムのもとで運営・整備されている海外拠点は、アジアに5ヵ所(ラオス、ミャンマー、インドネシア、ベトナム、カンボジア、インド、エジプト)、アフリカに6ヵ所(エチオピア、ケニア、タンザニア、ザンビア、ナミビア、カメルーン)のフィールド・ステーションと、6ヵ所の海外観測拠点(インドネシア科学院生物材料研究センタ

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