inspectionFY2009
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44 なくてはいけないことがあきらかになった。そのなかで、人間圏と生命圏と地球圏をつなぐ「連鎖的生命」の働きや、生命のかたちを後世へと伝えていく「イノチのつながり」、生存基盤を構築する「人とものと生きもののネットワーク」、そうした生存基盤を持続し発展するための「在来知」と現代技術の媒介の可能性などについて、キーワードがあぶりだされ、議論が焦点化してきた。今後はこうした概念の有効性について、実際のフィールドにおいて検証していくことが重要となるだろう。 3年目となる今年は、10回の研究会、1回のシンポジウム、1回の国内フィールドトリップを開催した。 研究会・ワークショップ � イニシアティブ4研究会(2009年5月26日) 石川容平(村田製作所シニアフェロー・次世代技術研究所 所長・京都大学生存圏研究所客員教授)「グローバル化に伴う職創出の地域バランス:社会の安定化と持続発展の両立を目指して」 � イニシアティブ4研究会(2009年6月1日) 「地域社会における「つながり」の再生産」 松尾瑞穂(日本学術振興会/京都大学人文科学研究所)「つながりの模索と調律―インド村落における不妊女性にとっての生存基盤と希望」 高田明(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)「社会化と社会変容―クン・サンにおける子どもの歌/踊り活動の分析から」 � 第1回環境・制度・STS・人類学に関する勉強会(2009年6月2日) Tsing, Anna(2005)Friction: An Ethnography of Global Connection. Princeton UP. 輪読 � 第2回環境・制度・STS・人類学に関する勉強会(2009年6月30日) Tsing, Anna(2005)Friction: An Ethnography of Global Connection. Princeton UP. 検討・討論 � 第3回環境・制度・STS・人類学に関する勉強会(2009年7月7日) Nevins, Joseph and Nancy Lee Peluso (eds.) 2008 Taking Southeast Asia to Market. Cornell UP. 議論 � イニシアティブ4研究会(2009年7月13日) 岩佐光広(国立民族学博物館 研究戦略センター 機関研究員)「ライフ・エシックス:バイオエシックスの人類学的転回を目指して」 � 第4回環境・制度・STS・人類学に関する勉強会(2009年9月26日) Arun Agrawal(2005)Environmentality: Technologies Of Government And The Making Of Subjects. Duke UP. 輪読 � イニシアティブ4フィールドトリップ+研究会(2009年9月30日) 「災害と多文化の共生」 フィールドトリップ:たかとりコミュニティセンター訪問 研究会:思沁夫(大阪大学GLOCOL)「ゲルという小宇宙:ゲルから考えるモンゴル人の自然観」 � 第5回環境・制度・STS・人類学に関する勉強会(2009年11月6日)

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