inspectionFY2008
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37ェクトを目指し、若手人材の育成と将来の共同研究の一層発展へ展開させることを目的としたものである。本年度はグローバルCOEプログラム、インドネシア科学院、生存圏研究所と共同で開催した。本学より若手研究者及び大学院学生を参加させ、現地の若手研究者との交流を行った。 6.5 研究イニシアティブ4 本研究イニシアティブは、生存基盤持続型発展のための、地域の知的潜在力を発見し理解することを目的としている。2008年度においては、生存基盤の成り立ちについて、生命論、再生産論、在来知論、災害・リスク論、科学技術論、貧困論などの観点から原理論的に考察すると同時に、生存を確保するためのいかなる知的潜在力が世界の諸地域に存在するのかについて人類学的・社会学的・歴史学的な検討を行った。その結果、生存基盤を考えるためには、単に食糧や住居などの要素を単独で考えるのではなく、むしろ生命過程を支る社会生態的なネットワークの全体的な質を視野に入れなくてはいけないことがあきらかになった。そのなかで、人間圏と生命圏と地球圏をつなぐ「連鎖的生命」の働きや、生命のかたちを後世へと伝えていく「イノチのつながり」、生存基盤を構築する「人とものと生きもののネットワーク」、そうした生存基盤を持続し発展するための「在来知」と現代技術の媒介の可能性などについて、キーワードがあぶりだされ、議論が焦点化してきた。今後はこうした概念の有効性について、実際のフィールドにおいて検証していくことが重要となるだろう。2年目となる今年は、15回の全体研究会、7回のシンポジウム、1回の国際ワークショップを開催した。 研究会・ワークショップ � イニシアティブ4研究会(2008年4月21日) - 山越言(大学院アジア・アフリカ地域研究研究所) 「"創られた"森林景観 -チンパンジーが住む森のなりたち-」 - 亀井敬史(生存基盤科学研究ユニット)「都市のエネルギー需要最適化に向けた住まいの窓利用に関する研究」 � イニシアティブ4研究会「アフリカ在来知研究会」(2008年5月8日) - 佐々木綾子(大学院アジア・アフリカ地域研究研究科/日本学術振興会) Transformations of Land-use and Forest Resource Management in 'Miang Tea Gardens', northern Thailand. � イニシアティブ4研究会(2008年5月9日) - 田辺明生(人文科学研究所)「イノチの人類学へ向けて」 � イニシアティブ4研究会「アフリカ在来知研究会」(2008年5月13日) � イニシアティブ4研究会(2008年5月19日) - 清水展(東南アジア研究所)「生存基盤が壊れるということ:ピナトゥボ山大噴火(1991)による先住民アエタの被災と新生の事例から」 � イニシアティブ1・4合同研究会(2008年6月12日)"Comparing Human Development in India & China" - Dr. Devin Joshi (Assistant Professor, University of Denver) “Comparing

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