inspectionFY2008
32/170

29等のグローバル化の視点を導入することはこれまでも行われてきたが、さらに気候や生態等の自然科学の視点とテクノロジーの視点を取り入れることで新たなパラダイム形成を狙っている。逆に理論・技術の一般化の限界が叫ばれ研究の複合化が期待される自然科学者や技術者にとってローカルな視点を導入するは研究を新たな地平へと導くこととなる。パラダイム研究会の活動を通じ「文理融合」「視点のズームイン・ズームアウト」「圏間の融合」「生産から生存へ」「つながり・ネットワーク」「Humanosphere」等のキーワードが生まれ、新しいパラダイムの萌芽が見えるようになってきた。パラダイム研究会の活動は4つのイニシアチブの活動に/からスピンオフ/インされ、グローバルCOEとして新たなパラダイムの萌芽が始まっている印象を受ける。 6.2 研究イニシアティブ1 研究イニシアティブ1「環境・技術・制度の長期ダイナミクス」の課題は、人類が技術と制度の発展を通じてアジア・アフリカ地域の環境に与えてきた影響を歴史的にたどることによって、将来の技術・制度変化の方向を探ることである。初年度の主たる目的は、歴史学、政治学、経済学、人類学などを専攻するメンバーの専門的な報告を聞く全体研究会を組織し、本プログラムとの関連を探ること、および、より専門的な4つの班を組織し、生存基盤研究を開始するとともに、これまでの学問的「常識」を再検討すること、の2点であった。2年目である平成20年度は、これら4つの研究班と全体研究会を継続発展させることで、活動を活発化させることに徹した。 全体研究会 � 研究会(2008/05/12) 小泉順子「近代タイ=中国「外交」関係―地域的・歴史的再検討」 討論者:籠谷直人(京大人文研) 生方史数「コモンズにみるローカルな制度形成プロセスの現代性」 討論者: 竹田晋也(ASAFAS) � 合同研究会Comparing Human Development in India and China(2008/06/12) Dr. Devin Joshi (Assistant Professor, University of Denver) Comparing Human Development in India & China Dr. Giorgio Shani (Associate Professor, Ritsumeikan University) Globalization, The 'War on Terror' and Human In/Security in South Asia � 第5回研究会(2008/06/23)「地域サステナビリティ指数の作成にむけて」 佐藤孝宏「環境・生態に関連する指標からのアプローチ」 和田泰三(GCOE研究員)「人間に関連する指標からのアプローチ」 佐藤・和田「Tentativeな地域サステナビリティ指数による地域持続性評価と選択指標の相互関連性」 コメンテーター:神崎護(農学研究科)田辺明生(人文科学研究所) � 合同ワークショップ「地域研究と大学院教育の未来」(2008/12/03) 杉原薫(京都大学東南アジア研究所教授)「持続型生存基盤パラダイムの創成ー環境・政治・経済を総合する新しいアジア研究ー」

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です