inspectionFY2007
66/96

63 11111111....おわりおわりおわりおわりにににに-今後の展望--今後の展望--今後の展望--今後の展望- これまでの自己点検を総括し、評価と展望を加える。 アジア・アフリカの地域研究に携わる研究者と、先端技術の開発に関わる科学者との学問的対話を促進するために、「持続型生存基盤パラダイム」という新しい考え方を提案し、地球温暖化のアジア・アフリカの地域社会への影響といった緊急の課題に答える、ローカルな、あるいはリージョナルな持続的発展径路を追究することを目標として発足した本プログラムの初年度(実質的には9カ月間)の活動を点検し、若干の評価を加え、今後の課題について記す。 順調に進捗している点は、第一に、事業推進担当者のみならず、本プログラムに関わる学内9部局の多数のスタッフの協力により、研究分野横断型の人材育成・研究プログラムを順調に立ち上げることができたことである。地域研究を中核としながらも、最先端の科学技術研究から人文・社会科学までを包摂し統合していこうとする本プログラムにおいて、参加研究者の実効性のある協力体制を構築できるかどうかが、最大のポイントであったが、それを杞憂とすることができた。東南アジアやアフリカで開催した4回を含む合計10回の国際シンポジウムや4つの研究イニシアティブによる多数の研究会や連携ワークショップを通じて、本事業に参加している教員、若手研究者、大学院生の間で、「持続型生存基盤パラダイム」形成という研究・人材育成の方向性が共有されつつあり、それが本事業の求心力となっている。この点に関しては、平成20年3月に開催した「プレ・アドバイザリーボード・ミーティング」において、「本プログラムのもつ文理融合的性格は世界的にもきわめて希有なものであり、これを成功させることが持つ学的意味は大きい」との評価をいただいた。 第二は、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科(ASAFAS)における大学院教育において、持続型生存基盤研究講座を設置する方向での制度改革の努力が進められたことである。ASAFAS と人材育成センターの緊密な連携のもとに、協力部局の全面的なサポートを得て、当初計画である「持続型生存基盤コース」の新設よりもさらに本格的な「持続型生存基盤研究講座」(仮称)設置に向けた制度改革が円滑に進行しつつある。 第三に、広報活動の充実を挙げることができる。とりわけ国内外に向けた成果発信の基礎をなすホームページは、本プログラムの開始直後である平成19年7月に仮ページを公開したのち、情報基盤などを整備し、平成19年11月には日本語ページ、平成20年1月には英語ページを本格的に公開した。その後も改良を重ねており、本プログラムのほぼすべての活動内容をリアルタイムで世界に向けて発信する体制を構築することができた。これに応じてアクセス回数が増加傾向にある。 第四に、本プログラムの根幹をなす人材養成の最大の前提作業として、二回の国際公募をかけ、延べ134名の応募者を中心メンバーが力をあわせて審査し、女性3名、外国人1名を含む、延べ10名の助教、研究員を雇用することができた。パラダイム形成にどう関わるかを応募者に書いてもらい、英語で面接し、文理融合についての意見を聞くなど、採用過程がわれわれ自身のコミュニケーションの場ともなって、その後

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です