inspectionFY2007
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3 教育・人材養成教育・人材養成教育・人材養成教育・人材養成 本拠点の第二の目的は、パラダイム形成の現場に触れた、本格的な文理融合型研究を担う若手研究者を養成することである。本プログラムの特徴は、21世紀COEプログラム「世界を先導する総合的地域研究拠点の形成」によってアジア・アフリカ地域に設置した14ヶ所のフィールド・ステーションを継承・発展させ、フィールドワークから国際ワークショップにいたるまで、研究パラダイム形成の現場に博士後期課程の大学院生・ポスドク研究員・助教からなる若手研究者を主体的に参加させることによって、人材育成と研究を融合させるところにある。そのために、「生存基盤地域研究人材育成センター」を設置して、グローバルな人材発掘からはじめ、研究・教育を経て、国際キャリア支援にいたる、文理融合型の国際的人材育成システムを構築する。 本プログラムは、大学院アジア・アフリカ地域研究研究科のなかに「持続型生存基盤研究コース」を作り、新しいパラダイムのもとでの人材育成の制度化に努める。初年度は1科目、2年度目は4科目の講義が新設され、3年度以降さらに拡大される予定である。 また、海外の地域研究拠点(コーネル大学・ロンドン大学・ライデン大学・オーストラリア国立大学等)と連携し、アカデミック・ディベートを通じて地域研究や専門分野を超えたパラダイム形成能力を養成する。国際的発信能力強化のために、国際学術雑誌への論文掲載や単行本出版のための支援を行うとともに、コミュニケーション能力の向上や研究会・プロジェクトの企画運営能力の向上を目的とした人材育成プログラムを推進する。 これらのプログラムによって、これまでの実績以上の博士修了者を、世界の学術界を先導する大学・研究機関そして世界で活躍する民間企業に送り込む。また、国際連合、世界銀行、世界自然保護連合などの国際機関、政府行政機関、世界各地で活動を展開しているNGOにもアジア・アフリカ研究の専門家を輩出し、持続型生存基盤の構築に向けた国際的な公論形成に貢献する人材や、地域に根ざした技術開発をリードできる人材を供給する。 世界拠点の形成世界拠点の形成世界拠点の形成世界拠点の形成 生存基盤地域研究人材育成センターは、現在大学院アジア・アフリカ地域研究研究科が、「持続型生存基盤講座」を新設する方向で制度改革を試みているのを全面的にサポートしている。 本プログラム終了後、このセンターを、京都大学の将来構想と連動させ、持続型生存基盤パラダイムによる科学技術研究融合型地域研究の展開と戦略的な人材育成を目的とする京都大学地域研究グローバルユニット(仮称)として再編する。本ユニットは、アジア・アフリカ地域だけでなく欧米を含む世界の関連教育研究ネットワークの中心となる。将来的には学内の新たな教育研究組織として発展・改組を構想している。 持続型生存基盤パラダイムの創出により、地域研究が国際的に活性化され、世界の学術イニシアティブにおける地域研究の地位が向上し、さらにこれらを通じて日本の総合的学術研究の国際的プレゼンスが強化される。また国際機関などにおける環境・エネルギー研究をアジア・アフリカ地域の実態を踏まえたものにし、アジア・アフリカの地域社会における価値観や政策を持続型発展へと方向づけ、それらの転換における日本の発信力の向上に貢献する。

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