inspectionFY2007
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40 らにシュリビジャヤ大学との協働による研究の推進逭することを提案した。 数回にわたってM社と交渉したが、M社は、本研究プロジェクトが住み込み調査を行おうとしている点について、紛争を継続している地域社会との関係で安全を保証できないという理由で、本研究イニシアティブの社会経済関連連プロジェクトの研究推進逭に同意しなかった。ただし、これまで実施してきた、自然科学的瘩研究は継続・瘠展可能である。 このような中、本研究プロジェクトは、他の研究地を模索した。その結果、S社が候補に上がり、会社の責任者との交渉を行った。 S社は、南スマトラ州の広大に泥炭地にアカシアクラシカルパを栽培している。このアカシアはやはり、S社傘下のパルプ工場に送られてチップとなりそしてパルプとなる。 泥炭地におけるアカシアの栽培は、泥炭土壌からの炭素の放出、さらに泥炭地の崩壊をもたらしかねない。本研究プロジェクトは、この研究について慎重な検討を行った。この結果、泥炭地とは地球物理圏の問題として独自の領域であること、さらにその上の生物の多様性など問題は、生命圏の問題であること、そして、その上で、人間社会の諸活動は狭い意味での生存圏の問題であることが認識された。この三者の関係は、まさに本G-COE研究の中心テーマであり、またこれは多様な分野の研究者の参加による学際研究によって初めて解明可能となる。 現在、複数の会社との間で、泥炭地をめぐる研究について検討している。本研究イニシアティブは、今後、地域研究からは、「複合化」をキーワードに持続的瘩森林圏を構想する。すなわち、森林の樹木から見た多層性、経営主体から見た多様性、同一経営主体における複合性・多就業を生かし、また、小規模経営のメリットを生かすことにより、産業植林周辺部邪におけるローカルノレッジにもとづく里山を瘠展させる。産業植林の内部邪においても、社会林業などの方策と制度の「複合化」を図る。これらのため、地域住民が森林圏形成による経済的瘩生存基盤を認識し、積極的瘩にガバナンスの主体になってゆく必要がある。 今後、グローバルな地球温暖化問題に対する森林圏・大気圏の変動モデル構築や、熱帯林の炭素・水循環の研究による「モニタリング・診断」、環境調和型の技術開瘠や森林持続の技術開瘠を中心とする「開瘠・治療痼」の研究を進逭め、熱帯地域の生存基盤持続のパラダイムを構築するためのフィールドとして泥炭地を積極的瘩に遥択し、スマトラやカリマンタンにおける研究を推進逭してゆく方針である。 国内研究会 � イニシアティブ3研究会(2007年8月2日:於生存圏研究所) 川井秀一(生存研)「グ ローバルCOE生存圏グループプロジェクト」 水野広祐(東南研)「アカシア林 経営の地域社会科学」 谷誠(農学研究科)「熱帯地域の水・炭素循環における森林の役割評価」 � 在日インドネシア留畕学生協会第16回研究瘠表大会(2007年8月25日:於生存圏研究所) 川井秀一(生存研)・水野広祐(東南研)がキーノート・スピーチを行う。

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