inspectionFY2007
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16 しかしながら、この審議と時を同じくしてASAFASの東南アジア地域専攻の名称変更問題の検討が始まり、その検討の中で研究科創設以来の悲願であった連環地域論講座の独立の構想が浮上し、新たに第三専攻の新設が検討されることになった。 連環地域論講座が研究対象とする南アジアおよびイスラーム世界は、経済面・政治面における国際的地位の向上が著しい。また、グローバルな動きとしてアフガニスタンやイラクにおける戦争やスマトラ沖地震による津波の被害、さらにはパキスタンにおける地震やバングラデシュのサイクロン被害を契機に高まった国際的災害支援など、グローバルな問題群が多く出てきている。本G-COEが目指す新パラダイムの展開もこのような地域研究を巡る新しい社会的要請に応えるところがあるのであるが、教育面においてもこのような問題群の解決に向けた体制の構築が必要と考え、新専攻設置の動きとなった。 したがって新設が予定されている「グローバル地域研究専攻」は、「イスラーム世界論講座」、「南アジア・インド洋世界論講座」および「持続型生存基盤講座」の3講座から成るものとして現在平成21年度新設にむけ努力中である。 この新専攻が実現した暁には持続型生存基盤に関する講義や演習は、新設が予定されている「グローバル地域研究専攻」の中の「持続型生存基盤講座」が中心に担う予定である。当然のことながらこの講座が開講する「持続型生存基盤論研究の方法」、「東アジア生存基盤論」、「東南アジア生存基盤論」、「南アジア生存基盤論」、「中東生存基盤論」、「アフリカ生存基盤論」、「生存基盤環境論」ならびに「グローバル地域研究演習」等などはASAFASの学生全員が履修できるばかりでなく、新専攻に協力教員を派遣することが予定されている生存圏研究所所属の学生も受講できる。 5.1.3 フィールド・ステーションを活用した若手研究者の育成 フィールド・ステーションを活用した若手研究者の育成に関しては、2007年10月2日に開催された大学院教育部会の会議において、21世紀COEにおいてフィールド・ステーションを開設しているASAFASとインドネシアにあるパソ森林保護区での臨地研究を中心に考えている生存圏研究所との間で、学生の募集は別途に行うことが決定された。 そして同部会のASAFAS委員会では、翌10月3日に公募要領検討の会を開催し、下記にあるような募集要項を決定した。 公募要領 グローバルCOEプログラム 「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」 フィールド・ステーション等派遣経費支援の申請について(2007年度) グローバルCOE大学院教育部会 下記の通り、フィールド・ステーション等派遣支援の募集を行います。これは、グローバルCOEプログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」の一環として、ASAFASが臨地教育の拠点としてきたフィールド・ステーションを継承、発展させながら、大学院生の教育研究を推進しようとする事業です。当支援では、博士予備論文の内

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