「紅河デルタ村落の農村・都市関係-ナムディンの工業区とバッコック農村社会の変容」 [ 日本ベトナム研究者会議2011年夏季研究大会 ] (関連する学会・研究会など)

日 時:2011年7月17日(日)13:30~17:30
場 所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室

 

■プログラム

13:30-13:45 案内・趣旨説明
柳澤雅之(京都大学地域研究統合情報センター)

 

13:45-14:45
「工業区の分散配置と農村の発展-ナムディン省コックタイン合作社の就労形態の変化から」
新美達也(名古屋大学産学官連携推進本部)

 

(要旨)ベトナムの工業区政策全般とその動向について概説したのち、ナムディン省近郊のHoa Xa工業区とコックタイン合作社を事例に、工業区整備による農村社会の変容を、とくに若年労働者層の労働形態に注目して報告する。

 

14:45-15:45
「「看板」としての新型合作社―ハノイ近郊における安全野菜栽培農村の事例から―」
設楽澄子(一橋大学大学院)

 

(要旨)97年の合作社法施行以降、新しい合作社(新型合作社)や従来の合作社(旧型合作社)のあり方に関して議論が続いている。
本報告では、ハノイ近郊で安全野菜を栽培するヴァンノイ社における新型合作社の構造と社員の安全野菜販売経営の分析を行い、社員が合作社という「看板」を利用することによって地縁・血縁ネットワークを駆使して利益を上げている様子を紹介する。さらに、ヴァンノイ社と対照的なヴァンドゥック社を取り上げ、同社の旧型合作社による安全野菜の契約栽培が農民の支持を得られない要因を考察する。この2つの事例から市場経済に適合的な農民組織のあり方を考察する。

 

15:45-16:00休憩

 

16:00-17:00
「農業合作社の新たなネットワークつくり-ナムディン省コックタイン合作社の商売活動」
柳澤雅之

 

(要旨)紅河デルタ村落の特徴の一つに、同一の自然環境下で多様な生業活動が展開していることを挙げることができる。
微地形に応じた自然資源利用の精緻化に加えて、村落社会ごとに異なる人的ネットワークが村落ごとの生業活動の歴史的経緯に影響していることも大きな理由として挙げられる。本報告では、2000年代以降における、ナムディン省コックタイン合作社幹部による新たなネットワークつくりを紹介し、かつての合作社幹部による対外活動の歴史の中で現在の活動を位置づける。

 

17:00-17:30 総合討論

 


Global COE Program 京都大学:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
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