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「地球圏の論理と生存基盤の持続」[第39回パラダイム研究会] (パラダイム研究会)

活動の記録>>

日時:2011年6月20日(月)16:00-18:30
場所:稲盛財団記念館中会議室

 

今回は、過去の経験や現在の科学知によっては制御できない種類の「地球圏的な力」を前にしたとき、生存基盤の持続はどのように可能なのかという問題について、考える機会にしたいと思います。

地球圏的な力は、我々の生存基盤を一瞬で奪い去ると同時に、永続的な生存基盤を与える源泉でもあります。当日は下記プログラムの通り、地球圏と生存基盤の関わりについて問題提起を行い、その上で「インド洋津波後の復興」と「太陽エネルギーに依拠したエネルギーシフト」の話題を中心に、議論を行いたいと考えています。

 

16:00-16:15 問題提起 「地球圏の論理と生存基盤の持続」
杉原薫(京都大学東南アジア研究所)

16:15-16:25 問題提起 「人間圏の攪乱要因としての地球圏の力をどう見るか」
和田泰三(京都大学東南アジア研究所)

16:25-16:55 報告 「生存基盤として見た社会的流動性の高さ―インド洋津波後のアチェの事例から」
西芳実(京都大学地域研究統合情報センター)

16:55-17:25 報告 「太陽エネルギーに依拠したグローバルなエネルギーシフトの可能性」
篠原真毅(京都大学生存圏研究所)

17:25-17:45 コメント
清水展(京都大学東南アジア研究所)
木村周平(富士常葉大学環境防災研究科)

17:45-18:30 総合討論

 

【活動の記録】
今回のパラダイム研究会の目的は、われわれ人間が制御することができない地球圏の力に対して、いかにして生存基盤を確保するか、その方途を模索する点にあった。まず、杉原薫氏(京都大学東南アジア研究所)は、本研究会の問題提起として、生存基盤の一次的確保、二次的確保、三次的確保の概念をそれぞれ説明した。そのうえで、生存基盤持続型の発展径路を構想するためには、生存基盤確保型の発展径路を復権させると同時に、そこに先端技術や効率的な制度を吸収する方向性を出す必要性を指摘した。つぎに、和田泰三氏(京都大学東南アジア研究所)は、30年間の平均人口10万人あたりの地震、津波、火山による死者数のデータを用いることで、地球圏による人間圏への撹乱状況を説明するとともに、生存基盤指数を構築する際の今後の課題を指摘した。つづいて、西芳実氏(京都大学地域研究統合情報センター)は、2004年のスマトラ沖地震・津波の最大の被災地であったインドネシアのアチェ地方を事例に、創造的復興をどのように捉えるべきかについて、主として流動性と柔軟性をキーワードに検討を試みた。最後に、篠原真毅氏(京都大学生存圏研究所)は、太陽エネルギーに依拠したグローバルなエネルギーシフトの可能性を考察するために、宇宙太陽発電所(SPS)を取り上げて、その特徴と研究状況について報告した。また、科学者と社会の関係についても報告した。
以上の報告に対して、清水展氏(京都大学東南アジア研究所)は、西報告に対して創造的復興と権力の空間との関係などについて、篠原報告については長期的視野に立ったうえでの科学技術に対する評価などについて、それぞれ質問を行った。また、木村周平氏(富士常葉大学環境防災研究科)は、被災の記憶とローカルをベースとするネットワークの強弱、社会の科学者に対する不信と科学者による社会への不信などについて質問した。フロアーからは、インドネシア国軍の対応、宇宙に関するガバナンス、技術・制度・知識のインターフェースなど多くの質問がなされ、終了予定時間を大幅に越えて、議論は大いに盛り上がった。

(佐藤史郎)