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「北海道の鍛冶屋の変化と生存-利尻島の鍛冶屋とその生存を支えた磯漁との関係」[京都人類学研究会 6月例会のお知らせ](関連する学会・研究会)

【日時と場所】
日 時:2011年6月16日(木)18:00開場 18:30開始
場 所:京都大学 総合研究2号館 4階会議室(AA447)

会場までの道のりは、以下のアクセス・マップをご覧下さい。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access.html
 

【演題】
「北海道の鍛冶屋の変化と生存-利尻島の鍛冶屋とその生存を支えた磯漁との関係」

 

【発表者】
齋藤貴之(京都文教大学人間学部文化人類学科)

 

【コメンテータ】
岩田明久(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

 

 

【発表要旨】
漁業は、北海道、特に、西海岸の開拓を先導し、今もなお、漁業は北海道の主要な産業のひとつとして重要な役割を担っている。そして、漁具を生産する鍛冶屋は、さまざまな工夫や努力によって変化に対応し、その時々に応じて多様な採集用具を供給することで、北海道の漁業との密接な関係を維持してきた。そこで、こうした北海道の漁業と鍛冶屋の関係に着目し、旧留萌・宗谷支庁、特に利尻島の鍛冶屋とその製品を利用する人びとを対象とした現地調査から、利尻島の生産物とその採取道具の変遷、および、漁業における鍛冶屋の役割について明らかにし、利尻島の磯漁と鍛冶屋の関係を見いだす。そして、それをもとに、利尻島の鍛冶屋の減少をもたらした要因を踏まえながら、北海道の漁業と鍛冶屋との関係について考察する。
「イソマワリ」で採取される魚貝藻類は、さまざまな道具を用いて船上から採取されており、それらの道具は、それぞれの採取を支える技術と同じくらい重要な役割を果たしている。このため、いかなる注文に応じてくれる「地元の鍛冶屋」はなくてはならない存在であった。しかし、近年は、コンブ、ウニ、アワビ以外は、自家消費用に採取されるに過ぎず、コンブ採取には主として木製の道具が用いられ、ウニやアワビも身を傷つけないように採取するために「タモ」を用いることが多くなり、「カギ」や「コンブガマ」、「テングサトリ」などは、高齢の漁業者によってのみ利用される状況にある。また、短いコンブを採るのに適した「グリグリ」や、ナマコ漁用の「ハッシャク」、ウニ採り用の「ハサミ」、ウニやアワビを採るのに使用される「タモ」などは、鍛冶屋の技術を必要とせず、溶接等によって生産することができることから、鴛泊や沓形の「鉄工所」などにおいて生産されている。このため、鍛冶屋やその製品への依存度は著しく減少しており、磯漁の場から鍛冶屋製品が姿を消しつつある。
これらのことから、「磯漁が多くの鍛冶屋製品を必要とし、鍛冶屋が利尻島の磯漁を支えてきたこと」が、利尻島に多くの鍛冶屋が共存することを可能にした要因のひとつであることを提示するとともに、「鍛冶製品の利用者である利尻島の人口および漁業組合員の減少」や、「磯漁の生産物の縮小、漁業生産物の多様化」、「磯漁に利用される道具の多様性の低下と、鍛冶屋の技術を必要としない道具の増加」などが、利尻島の鍛冶屋を衰退に追い込んでいることを示す。


【備考】
* 京都人類学研究会は京都を中心とする関西の人類学および関連分野に関心をもつ研究者・大学院生がその研究成果を報告する場です。
* 事前の参加予約は必要ありません。
* どなたでも自由に参加いただけます。
* 当日は資料代として200円いただきます。

【お問い合わせ先】
京都人類学研究会事務局:inq_kyojinken[at]hotmail.co.jp
[at]を@に変えて送信して下さい。

 

京都人類学研究会2011年度学生幹事

安念真衣子 薄さやか 康陽球 北川了次 園田浩司
高田洋平 佃麻美 長岡慶 萩原卓也 丸山大介
溝内克之 山口亮太 吉澤あすな

 

京都人類学研究会2011年度代表

藤倉達郎(http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/