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[第37回パラダイム研究会] (パラダイム研究会)

活動の記録>>

日時:2011年4月18日(月)16:00-18:00
場所:稲盛財団記念館中会議室

16:00-17:00
佐藤史郎(東南アジア研究所・特定研究員)
「非西洋的国際関係論の再検討―アジア・アフリカ地域の視点から」
コメンテーター:峯陽一(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授)

 

17:00-18:00
濵元聡子(東南アジア研究所・研究員(科学研究))
「〈被災地〉から〈かかわる場〉へ― 生存基盤が支える個人とコミュニティの復興再生の研究」
コメンテーター:清水展(京都大学東南アジア研究所教授)
 

【活動の記録】
今回のパラダイム研究会は、次世代研究イニシアティブ報告会との共催により行われた。内容は、これまでのパラダイム研究会であまり議論が行われてこなかった、国際関係理論と震災からの復興支援に関する報告の2つである。
第1の報告では、現在の国際関係理論が西洋の知的ヘゲモニーに立脚しているとの認識から、アジア・アフリカの視点から既存理論の相対化を図ろうと報告者 が試みている、非西洋的国際関係理論の構築に関する研究の紹介が行われた。コメンテーターからは、主権国家システム生成の歴史を地域間で比較する必要性 や、国際関係理論に「多様性」の概念を導入するための非ヘゲモニー的な視点の導入などについて意見がなされた。その後のフロアを交えた議論では、理論的研 究と現実空間の関係、ASEAN型のネットワークを基軸とした国際関係理論の可能性など、地域研究と国際関係論の連携に向けた様々な議論が行われた。
第2の報告では、震災復興プロセスにおける外部支援者と被災コミュニティの「かかわり」を、いかにして被災者の生存基盤につなげてゆくかについて、イン ドネシアにおける3つの震災復興支援での経験をもとにした提案がなされた。その後の議論では、発表者が得た知見を東日本大震災やインドネシア全体にどのよ うにフィードバックしてゆくべきか、震災多発地域において「地震」がどのようにローカルな知に組み込まれているのかといった議論や、コミュニティの外部と の関わりを肯定的にとらえようとする新たな復興再生アプローチに関する意見などが出された。
対象としている領域空間には差異があるものの、両発表とも関係性に関する既存の認識枠組みを相対化しようと試みた意欲的な発表といえよう。持続型生存基盤パラダイムを形成するうえで、上記のような視点をいかに包摂してゆくべきか、引き続き議論を行ってゆく必要がある。
 

(佐藤孝弘)