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[東南アジア学会関西地区2月例会](関連する学会・研究会)

日 時:2010年2月6日(土)14:30~17:30
会 場:京都大学稲盛記念会館3階 小会議室II

14:30~15:30 報告 

鈴木絢女(日本学術振興会特別研究員)

「マレーシア政治体制論の再構築―『協議・相互主義的制度』としての政治的自由の制限」

15:30~15:50 休憩
15:50~17:30 コメント&ディスカッション

コメンテータ―:
山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
中西嘉宏(アジア経済研究所)

【報告要旨】
マ レーシアは、1971年以降、競争的選挙を実施する一方で、政治的、市民的自由を法律によって相当程度制限するという特徴を持つ政治体制を持続させてき た。従来の研究は、このような政治体制につて、(1)政府や与党、資本家、多数派民族が、自らの権力維持と反対勢力抑圧のために自由を制限する制度を構築 すると論じ、(2)このような制度の運用に由来する「対抗勢力」の相対的な弱さから、その持続を説明してきた。

しかし、このような「恣意・権威的命令」としての制度の見方では、野党や社会団体による政策や政権への反対運動や、政策形成への参加の実態を捉えきれないうえに、このような実態を所与としたときのマレーシアの政治体制の持続を十分に説明しえない。

この問題を踏まえて、本研究は、言論、出版、結社の自由など政治的自由を制限する法の構築と運用に焦点をあて、「協議・相互主義的制度」という見方を提示し て、同国の政治制度を理解しなおしたうえで、体制の持続を説明し、その限界や変化の可能性について述べる。事例としては、民族的属性に由来する権利を定め た憲法規定に関する言論の自由を制限した1971年憲法(修正)法、社会団体の振る舞いを規律する1981年、1983年結社法(修正)法、「知る権利」 をめぐる1986年国家機密法(修正)法、報道のあり方をめぐる1987年印刷機・出版物法(修正)法を見る。

「協議・相互主義的」制度と は、(1)政府、与党、多数派民族、社会団体、野党、少数派民族の間での議論、取引、妥協といった協議的過程を経て、双方の「合意」として成立し、(2) 「合意」形成過程に参加した様々な主体間での「箍のはめあい」としての性格を持ち、少数派のみならず政府や与党をも拘束し、したがって、(3)少数派も含 めた包括的参加を保障する制度である。このような制度を核とする政治体制が持続しやすいのは、制度構築時に成立する広範な「合意」と包括的参加によって、 政治制度への反対が起こりにくいためである。ただし、制度を支える「合意」の基盤が限定的な場合や、世代交代等により「合意」が正当性を失う場合には、制 度変更圧力が高まりうる。

 

世話人・連絡先 Contact:
片岡樹 Tatsuki Kataoka kataoka(at)asafas.kyoto-u.ac.jp
蓮田隆志 Takashi Hasuda hsd(at)cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 Yoko Hayami yhayami(at)cseas.kyoto-u.ac.jp