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「日本の山村・海村における文化的景観の特色とその保全の課題 を考える-瀬戸内海の離島と長野県中山間地を事例として-」[東南アジアの自然と農業研究会 第143回定例会・限界地の生存研究会 共催研究会](関連する学会・研究会)

日 時:2009年12月04日(金) 16:00~18:45
場 所:東南アジア研究所 稲盛財団記念館3F 中会議室
(京都市左京区吉田下阿達町 46川端通り荒神橋東詰め)

発表者1:上原 三知(信州大学 農学部、助教)
題目:瀬戸内海の島々における土地均分制度の有無と持続的な植生・土地利用景観の関連

【要旨】
2005年の日本造園学会80周年記念国際シンポジウムでは、世界普遍的な持続可能性を追求する一方で個性的な自然や文化を尊重する「持続可能なランドスケープ(sustainable landscape)」という概念が提案され、その実現に向けて、地域固有の自然環境や歴史文化に着目することで世界的な問題に挑戦しつつ、個性的な解を求めるべきとの指摘がなされた。
共有資源の利用に関してはコモンズへの関心が高まっているが、千葉徳爾は入会地(共有地)の分割は内陸では近世末から明治初年になってようやく行われはじめたものが多いものの、特に交通の便で商品生産が早くおこった瀬戸内地方の島峡や沿岸村落ではわが国で最も古くから割山や個人所有林を制度化していたと指摘する。 また宮本常一も、瀬戸内海の離島に見られる土地均分制度と海洋民の定着との関連性を指摘している。
このように日本の中で特に、雨が少なく森林の再生が難しい気候条件におかれながら、高い人口圧と製塩産業による森林等の自然資源の積極的な利用とその保全が早くから顕在化した瀬戸内海域では、どのような環境の保全・活用モデルによって、江戸期に訪れたリヒトフォーヘンやケンペル、シーボルトらに美しいと評価された景観の多様性と地域資源の持続性を担保してきたのかについて考察を行う。

発表者2:内川 義行(信州大学 農学部、助教)
題目:長野県姨捨棚田の重要文化的景観とその保全

【要旨】
長野県千曲市の姨捨棚田は、その一部(当初約3ha)が平成11年,国内の棚田としては初の文化財・名勝に指定された。さらに2009年11月現在、周辺棚田(約75ha)を含む、地域一帯を新たな文化財・重要文化的景観として保全すべく選定の申出中である。
我が国における棚田の文化的景観価値は高く評価されるものの、その保全には(1)耕作の継続(①耕作者の確保、②耕作と維持管理の方法、③経営)、(2)住民の合意形成(①保全対象、②保全方法)等の課題を有している。特に棚田の存在は、毎年の耕作継続という営農行為が前提のため、一般的な文化財保護にみる凍結・静態的「保存」ではなく、規定された許容範囲における若干の改変をも認める動態的「保全」の考え方が不可欠となる。
姨捨棚田では、住民の耕作継続と合意形成に配慮し、狭小で不整形な区画の地域だけでなく、近現代の生活・生業の歴史を示す圃場整備地域をも含み保全対象とし、それらの産業遺産的価値を文化的景観の中に積極的に位置づけ保全計画を作成した。本事例をとおし、現代における動態的存在としての文化的景観の保全のあり方について考察したい。

*会の後に懇親会を予定しております。ふるってご参加ください。

□問い合わせ先:
佐々木綾子 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
Tel. 075-753-7839 mailto: sasaki22[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
田中耕司 京都大学地域研究統合情報センター
Tel. 075-753-9600(センター長室)、9603(代表)、7307(研究室)
mailto: kjtanaka[at]cias.kyoto-u.ac.jp

■WEB SITE: http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/seana/