「調査報告発表」[西アフリカ研究会] (関連する学会・研究会)

日時:2009年11月19日(木) 午後2時より
場所:稲盛棟307号室

【発表者1】今中亮介(M1)
・題目:「マリ南西部における子どものトン(集会)の組織化に関する研究」
・要旨:
本発表の目的は、7月下旬から10月上旬にかけてマリ南西部の村で行った予備調査の報告を中心に、現在の研究の進捗状況を発表し、広く意見を求めることである。

【発表者2】佐藤浩介(M2)
・題目: 「マリ共和国・トンブクトゥ州の文化的特性に関する研究 -ソンライのポピュラー音楽の視点から-」
・要旨:
他のアフリカ諸国の例に漏れず、多民族国家であるマリ共和国は、サリフ・ケイタ、アビブ・コイテ、アマドゥ&マリアムなど、世界的にも著名なポピュラー音楽家を多数輩出してきた。
彼らの多くは、マリの最大民族であるマンデ系出身で、マリの最大言語であると同時に西アフリカで広く用いられているマンデ系言語バンバラ語で唄い、国境を超えた人気を博している。
しかし一方で、マンデ系民族が少数派となるマリ北西部では、ポピュラー音楽は異なった様相を示している。
14世紀に成立したとされるトンブクトゥ市を中心としたマリ北部トンブクトゥ州は、ソンライ、トゥアレグ、アラブ、フルベなどの人々が混住してきた長い歴史を持つ。
当地では、地元住民に熱狂的に支持される音楽家が多数存在し、アリ・ファルカ・トゥーレやアフェル・ボクムなど、世界的名声を得たポピュラー音楽家も出ている。
彼らは、マリ最大言語のバンバラ語ではなく、ソンライやタマシェック、フルフルデなどといった当地の言語で唄い、複数言語で唄う者も少なくない。
当研究では、トンブクトゥ州出身のソンライ音楽家に注目し、当地のポピュラー音楽の形態を観察・記述するとともに、歌唱言語を調査し、その実態を明らかにする。また、ポピュラー音楽の聴取活動を通じて、当地の多民族混住の姿を描く。
今回の発表では、これまでの臨地調査や文献研究から得られた情報を提示するとともに、12月に提出する博士予備論文の構想を検討する。
 


Global COE Program 京都大学:生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点
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