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「アフリカ牧畜社会における生存基盤の安定化と持続的な発展: 在来知と科学 技術の融合による新たな可能性を探る」(国際集会・国際シンポジウム)

”Integrating Local Practice and Scientific Technologies for Sustainable Development among Pastoral Societies in Africa”

日 時:2010年3月15日

場 所:京都大学

[趣意書]
アフリカの牧畜社会は過去半世紀、社会・自然環境の急速な変容過程でさまざまな窮状を経験してきた。近代火器の枠内流入によって激化した民族間紛争や治安悪化は日常的生活の安全保障に対する大きな脅威であるし、発生頻度と強度が増す旱魃、自然資源の稀少化によって、生業としての牧畜はその存続が危ぶまれるほど疲弊してきている。1970年代以降、国際機関や各国政府は牧畜社会にたいし、定住化政策や市場経済の導入、平和構築などを狙い、矢継ぎ早に多数の大規模開発計画を投企してきた。しかしながら、その大半は初期の目的を達成しえなかっただけでなく、自然資源へのアクセス制限、貧富の差の拡大、民族間往来の切断、国家的軍事主体との抗争といった新たな課題を帰結した。

牧畜民が置かれた複雑で困難な現状を考慮して、2008年9月にケニアの首都ナイロビ市において、日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター、ナイロビ大学アフリカ研究所、そして京都大学アフリカ地域研究資料センターは、国際ワークショップを共催した。このワークショップは、日本におけるアフリカ牧畜研究の蓄積と国際的な牧畜研究の動向との接合を図り、牧畜民を対象とした開発実践に携わる実務家と研究者との対話を通して、牧畜社会における持続可能な発展の可能性を探求することを目指すものであった。討論では、アフリカ牧畜社会が先進国や国際機関によって設計された発展経路とは異なる独自の発展の可能性を有している点を確認したうえで、今日のアフリカ牧畜民の置かれている苦境をうちやぶり、次世代の利益と欲求を考慮に入れた中長期的な発展を実現するためのキーポイントは、それぞれの社会が時代や場所の固有性に応じてねりあげてきたローカルな知識や実践を近代的な科学技術や科学的管理法と融合する点にあることが明かになった(Mila Vol. 10. Nyamongo et al ed. 2009)。

このような成果をふまえて、京都大学のアフリカ地域研究センターと、グローバルCOEプログラム「アジアとアフリカにおける生存基盤持続型な発展に関する研究拠点」は、上記ワークショップの発展版を2010年3月に開催する。その目的は、ナイロビ・ワークショップでの討議の成果を、「ローカルな知識と実践を尊重せよ」という理念的な提言にとどめるのではなく、「科学技術と近代的管理法と在来の実践との融合」に関する徹底討論を通じ、牧畜社会の持続可能な発展のための構想をさらに洗練させることにある。ワークショップでは、とくに以下の二つの問題意識にもとづいて、討論を深めることにしたい。

  1. 自然環境の変化と社会経済的な環境変動により牧畜社会に増大したリスクに対処するため、これまでに再牧畜化や生業多角化を目的とした危機管理プロジェクトが実施され、一定の成果を収めた。しかしながら、今日、牧畜民が直面している複雑で困難な状況を考えるとき、真に求められるのは、リスクの予防・軽減、危機が生じたときの対処措置、社会の対応能力の向上を内包した包括的なプロジェクトの実施であろう。政策立案プロセス、科学技術、近代的管理法に、ローカルな実践をどのように組み合わせれば、このような、より中長期的な展望に立った実効的なプロジェクトをうちたてることができるだろうか。
  2. 今日、地球規模の気候変動は人類の持続可能な生存基盤にとって大きな脅威となり、国際政治における主要議題を形成している。しかしながら、気候変動によるダメージをもっとも受けやすい人びとであるにもかかわらず、アフリカの乾燥地域に暮らす牧畜民には、ほとんど目が配られていない。牧畜社会の持続可能な発展を考えるとき、まずグローバルな気候変動が乾燥地の生態系と牧畜生活にどのような影響を及ぼすのかを明らかにする必要がある。そして、そのうえで、人類学と干ばつ早期警戒システム、リモートセンシング、保全生態学など環境科学との共同研究から、リスク対策の確立に向けた可能性が模索されなければならないだろう。

以上、3月に開催されるワークショップは、二つの問題意識に基礎づけられた議論を展開することによって、今日の牧畜社会を囲繞する問題群をより明確に把握し、持続可能な発展に向けたより具体的・実践的な方策を指し示すことを目指す。
 

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/en/article.php/20100218

 

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