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[第3回地域研究方法論研究会](関連する学会・研究会)


地域研究はさまざまなバランスの上で成り立っている営みです。その1つが研究と実践のバランスです。現実の社会と不可分の関係にある地域研究では、研究を行うだけでなく社会活動に積極的に関わる研究者も少なくありません。ただし、ときに研究と実践の境界があいまいになり、どこまでが研究でどこからが実践なのか迷うことがあるかもしれません。あるいは、地域研究者以外の研究者にも受け入れられるような地域研究の研究成果とはどのようなものなのかと迷うことがあるかもしれません。
これらの迷いは、地域研究のあり方を考える上で避けられない重要なことがらです。ただし、「研究と実践」だけをとっても地域研究にはさまざまな考え方があり、地域研究者どうしで意見がまとまらないことも珍しくありません。それは、人によって地域研究に抱くイメージが異なり、統一された地域研究の姿を私たちが描けていないためです。
このことは、地域研究という営みが実体のないものであることを意味しているわけではありません。その逆に、地域研究がいろいろな人々によって行われ、いろいろな方面に発展していることを示しています。「地域研究」という名前でさまざまな営みが行われており、そこにいくつかの方法を見出すことができます。私たちは、それらの方法を個々の地域研究者の「名人芸」とすることなく、うまく取り出して次世代に継承可能となるように言葉で表現する方法を考えたいと思っています。
もっとも、一口に地域研究と言ってもその中身は多様なので、地域研究としてどのようなことが行われているのか、地域研究にはどのようなことが期待されているのか、地域研究を行っている人たちはどのような課題を抱えているのかなどがわからないと、地域研究について考えても的外れになる可能性があります。この研究会では、地域研究に携わっている国内の大学を訪れて、地域研究の現場にいる教職員や学生と意見交換を行うことを通じて、地域研究の多彩な姿を捉え、地域研究について考える共通の枠組みを作りたいと思っています。
第3回研究会は上智大学で行います。この研究会はどなたでも参加できますが、地域研究に携わる大学院生や若手研究者の参加を特に歓迎します。

日 時:2009年6月26日(金)
会 場:上智大学2号館5階510教室
主 催:地域研究コンソーシアム地域研究方法論研究会
京都大学地域研究統合情報センター全国共同利用プロジェクト「地域研究方法論」
共 催:上智大学アジア文化研究所

【内容】
話題1:山本博之(京都大学地域研究統合情報センター)
「研究を通じた現実社会との関わり」
話題2:柳澤雅之(京都大学地域研究統合情報センター)
「地域研究の客観性を考える」
話題3:福武慎太郎(上智大学外国語学部)
「研究と実践の関係を問い直す──上智アジア学の歴史から」

【報告要旨】
「研究を通じた現実社会との関わり」(山本博之)
地域研究の特徴の1つに現実社会との関わりがあります。ただし、現実社会との関わりとは、現在身のまわりで進行中の社会問題に目を向け、解決の手を差し伸べることだけとは限りません。地域研究は、研究という立場に身を置いて社会の諸課題に関わろうとする態度です。「研究者が実践もする」のではなく、「研究を通じて社会と関わる」というあり方について考えます。 研究者は論文を通じてお互いに議論しています。一見すると研究対象について議論しているように見えても、それと同時に、研究者が共有する現実社会の課題についても議論していることがあります。この報告では、東南アジアのナショナリズム研究を素材として、ナショナリズムが世界的な課題だと考えられていた時代に研究者たちが研究を通じてその課題にどう取り組んできたかを紹介することで、「研究を通じた現実社会との関わり」について考えたいと思います。

「地域研究の客観性を考える」(柳澤雅之)
厳密な客観性と再現性が求められる自然科学の研究者が、地域ごとに状況が異なり事象の再現性もきわめて少ない地域社会の研究をどのように進めてきたのか。本報告では、自然科学者による地域研究を題材にして、地域研究の「科学」性の検証を通じた地域研究の方法論を考えるというアプローチをとる。現実社会の客観的理解と主観的理解、歴史的・地域的に生起する事象の再現性と特殊性、研究の普遍性と地域の個別性という二項対立を超えて地域研究を推進するためには、地域研究者が地域理解のために援用する学問分野間の整合性をとること、さまざまな学問分野と地域社会の論理の整合性をとること、地域社会をより広域の社会の中で相対化することが必要であることを論じる。さらに、研究の普遍性と地域の個別性を理解した上で、地域研究の成果を地域社会に還元するときの課題を考える。

「研究と実践の関係を問い直す──上智アジア学の歴史から」(福武慎太郎)
上智大学出身のアジア研究者やNGO関係者の源流をたどると、ベトナム反戦運動と鶴見良行の「歩くアジア学」がみえてくる。そこには常に研究と政治的実践(運動)のあいだの揺れが存在していた。アジア文化研究所の設立から26年、地域研究専攻の設立から12年、鶴見の思想に影響を受けたアジア研究者やNGO関係者のなかで、また現在の大学院教育のなかで、鶴見の思想はどのように引き継がれているのか(もしくは引き継がれていないのか)、私論を試みたい。

地域研究方法論研究会
http://areastudies.jp/

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