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「フィリピン市民社会の再検討 - スラムの視座から」[東南アジア学会関西例会](関連する学会・研究会)

日 時:2009年4月18日(土)13:30~17:45
会 場:豊中市千里文化センターコラボ1F 集会室
http://www.city.toyonaka.osaka.jp/top/jinken_gakushu/kouminkan/senri/gaiyou.html

「フィリピン市民社会の再検討 - スラムの視座から」

フィリピン市民社会をめぐっては、特定の規範を備えた「市民」による活発結社的活動が民主主義に寄与するという市民社会論が人口に膾炙してきた。しかし、こうした市民社会論は、その中間層的・NGO的バイアスが市民社会における深刻な対立と矛盾を隠蔽しがちな問題をはらんでいる。本報告では、スラムに居住する都市貧困層の視座に基づいて、階層間の道徳的対立(日下)、NGOや住民組織間の対立(木場)を分析し、フィリピン市民社会論の問題を明らかにすると同時に、市民社会における対立が民主主義と共存する条件を考察したい。

報告1
日下渉氏(京都大学グローバルCOE研究員)
「マニラ首都圏における階層意識 - 道徳的対立の「揺らぎ」」
報告2
木場紗綾氏(神戸大学大学院)
「マニラ首都圏のスクワッター運動:「組織するもの」と「組織されるもの」
の戦略」

報告1要旨
従来のフィリピン市民社会論の多くは、道徳的「市民」の政治参加に可能性に期待を寄せるものであった。しかし、道徳的に正しい「市民」という概念は、道徳的に正しくない「非市民」の概念も作り出し、両者の道徳的対立を招くジレンマがある。
道徳的対立とは、自らを「あるべき政治」を希求する道徳的に正しき「我々」として認識する一方で、敵対勢力を堕落した政治の温床である悪しき「彼ら」として認識するような対立である。経済的対立は配分調整によって妥協も可能であるが、善悪をめぐる道徳的対立は「彼ら」の正統性を否定するために硬直したゼロ-サム対立になりやすい。
こうした道徳的対立の構築が、マニラ首都圏の中間層と貧困層との間で観察できる半面で、それは必ずしも一面的に貫徹しているわけではない。本報告では、マニラ首都圏の中間層と貧困層のナラティブに基づいて、道徳的対立の構築の不全、道徳的対立に対する戸惑いや反発といった「揺らぎ」の側面を明らかにしたい。

報告2要旨
本報告は、従来のフィリピン市民社会論者が積極的に説明してこなかった「組織するもの」と「組織されるもの」の差異を所与のものとし、スラムにおける住民運動という集合行為の発生や帰結を、「組織する側」としての社会起業家の能力や政治機会といった外部要因からでなく、異なるインセンティブを有する「組織するもの」と「組織されるもの」のゲームの帰結として説明することを目的とする。なぜ、フィリピンの都市貧困地区では政治的集合行為が実現しているのか。都市貧困者はいかなる条件下で、集合行為によって自らの利益を実現できるのか。同一地域において複数のNGOや政治組織が貧困層を組織化しようと競合し、対立や組織の分裂が起こる場合、運動にはどのような変化が起こるのか。本報告では、マニラ首都圏の複数のスラムでのフィールド調査を基に、これらの問いに答えることを試みる。

世話人:
片岡樹
倉島孝行
蓮田隆
速水洋子



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