はじめてキャンプで会ったトオルくんは、ほかの牧童とおなじ、上半身が裸で、腰に布を巻いていた。まだキャンプの生活に慣れていないのか、ほかの少年のうしろについて、何となく頼りないようすだった。前回来たとき、私の前で「I am your teacher」と威張っていたが、いまでは遠く見ているだけで近寄ろうともしない。ナイロビから連れてきた助手のレンディーレの青年に、「あのガキは集落にいたときとだいぶ違うなぁ」とトオルくんのことを話すと、青年は何の不思議もない顔で、「あなたはヘル(青年戦士)だ、イェレ(少年)は戦士に近寄ってはならん」と言った。